<平成17年版犯罪白書より>
今回初めて少年院に6年以上勤務している教官424人にアンケート調査を行った。その結果「処遇困難な子が増えている」と感じている教官が全体の72%にのぼり、非行少年の特徴として「感覚・感情で物事を考える」が60.6%でトップ。ついで「多少の事は許してもらえると考える」が54.0%にのぼっている。また、親の問題点としては「子供の行動に対して責任感がない」が62.5%、「子供のいいなりになっている」が50.2%、「子供の行動に無関心である」が49.1%、「子供の問題を他のせいにする」が43.2%となっていて、こういった非行少年が増加している原因として「子供の気質」と「親の指導力低下」を挙げている。(産経新聞より)
ただ、非行少年に限らず、こういった「感覚・感情で物事を考える子」「多少の事は許してもらえると思っている子」は、非常に多くなっているというのが実感。例えば「宿題忘れ」「授業道具などの忘れ物」に関しては「悪い」という意識はあるものの「反省して直そう」という感覚より「忘れようと思って忘れているわけではないからしょうがない」という感覚の子が増えている。以前は学校でも忘れ物をしたら理屈抜きで「ゲンコツ」なんていう指導をしていたが、今はそういった事を一切行っていないのだろう。周りが「理由をしっかり話して指導する」と「子供の自主性を重んじる」なんて形で指導するようになったせいで「子供が自分なりの理由をつくり、勝手な判断をする」という状況が生まれて来ているのではないかと思う。だから、悪いことであれば、理屈抜きでガチッと怒るという事も大切なのだ。
もちろん、勉強の内容についても「しっかり身につけよう」とする子より「なんとなくこんな感じだったな〜」と適当な事をやってしまう子も増えている。数学の計算などは「手順を覚えてその通りに行う」というだけで答えを導き出せるものが多いが、それすら、適当な手順で行ってしまう子も増加中だ。
子供達の周りの感覚がそういう「感覚・感情で判断する」という方向にシフトしてきているため、その中で突出した子が非行に向かってしまうのではないだろうか。そして、その割合も高くなってきているのではないかと思う。
だから、世間の風潮に流され何か問題があったときに「子供と良く話し合う」などと言っておきながら、実際には子供の説得がうまくいかず、失敗してしまっているお父さん・お母さんなら、理屈抜きで「ダメなものはダメ」と話せる土壌を作っておくことも大切。
これは犯罪だけではなく、ニートや引きこもりについても同じ事が言えると思っている。将来、子供さんがそういった事態にならないように、子供さんとお話をする機会があったら、それとなく子供さんの感覚を探っておくのもいいのではないだろうか。
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