今回は2020年に書いた二つの内容を一つにまとめています。ですから、主旨も二つと考えてください。
もともと「数学的な考え方~いわゆる論理的思考力」というのは、当たり前のことを当たり前に積み重ねていくことにあります。ところが、大抵は、その当たり前が当たり前になっていなかったり、しっかり考えているわけでもないのに「最初から知っていた」くらいにしか考えません。そこに落とし穴があるということです。
特に「最初から知っていた」くらいにしか考えない人は、上っ面だけ追いかけてしまうため、その人の話している内容を突き合わせてみると結局パラドックスになっていたりします。
<根本が分かると何をすればいいか分かります>
分かっているようで、実は、きちんと答えようとすると、すぐに答えられる人は少ないのではないかと思います。 「そもそも、学力ってなあに?」
それで、実は、この答え、割と簡単で、要するに「学力の高い・低い」って何で決まるか、ということを考えてみるといいんですね。 答えは 「記憶力」と「思考力」。
何でこの2つになるか、ということは、後で述べますが、一番大事なのは、こういう基本的な事をきちんと答えられるようにしておくこと。よく子供から「何で勉強しなきゃ行けないの?」と質問されたときに答えられない、なんていう話がありますが、これも、こういう、「そのモノの持っている基本的な知識」〜「基礎理論」がしっかりしていないから起きる現象なんです。
本来であれば、こういう「基礎」を大学などで学ぶべきなのですが、それがないがしろにされているのが、今の教育事情なのではないでしょうか。
<学力が高い=記憶力のここが違う>
学力の一つが「記憶力」と書きましたが、そもそも「学力が高い子」というは「たくさん物事を知っている」ということ。ですから、これが高学力の一つの基準になりますよね。そして、それ以外にも項目がありますから、それをピックアップしておきますね。ちなみに、頭に物事を入れることを「インプット」、覚えているものを頭から取り出すことを「アウトプット」といいますが、この「インプット」「アウトプット」で、記憶力と学力の関係を整理しておきます。
まず、インプットでは、 ・量が多く頭に入る ・少ない練習回数で、頭に入る=覚えるのが早い ・細かい部分まで正確 ・長期間記憶が続く と、この4点でしょう。それに対しアウトプットでは ・情報を引き出すのが早い ・正確に引き出せる の2点になります。
それで、この辺は、別に子供達に限らず大人でも通用することで、例えば、企業の経営者や政治家は、人の名前と顔を大量に覚えて、瞬時に「あの人は誰」ということが分からないとならないですよね。「あれ? あの人誰だっけ」では通用しない。当然、「記憶力というのはとても大切です」ということになります。
それで、学校の先生方の書いている本を読むと、大抵「こんな教え方がいい」とか「こうやって楽しく授業をしています」とか、そういうものが多い。また、親の目線でも「子供が楽しそうにしているのがいい」というような目線で判断することが多いでしょう。 ところが、学力という観点で授業を捉えた場合、楽しかろうが厳しかろうが、そんなのどちらでもいいんです。基本は、上記の内容に照らし合わせて「その教え方でインプット量が増えるのか」「その教え方でアウトプットのスピードが上がるのか」という目線で見るんです。
ですから、授業の本質よりも「楽しさ」「子供が喜ぶ」という所を中心に見るのは、あくまでも「素人目線」。それに対し、プロは「この先生は子供達の能力を伸ばしているか(学力をしっかりつけさせているか)」という目線で見ますから、授業の観点が素人とは全く違うと考えてください。
そして、残念なことに、この授業の本質から外れた内容を述べている本が圧倒的に多いんです。申し訳有りませんが、こういう本を書いている人は、やはり、根本的な「そもそも学力ってなあに?」ということを考えたことがないんじゃないかな、と思うんですね。
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