今回も2014年に書いた内容です。
本文にもありますが、「宿題をやらない」「中途半端」というのは、未だに、治っていないと思ってください。
<宿題をやらない子・中途半端な子>
エフエムくしろでもお話ししましたが、北海道は「学校の宿題を全くやらない子」が全国平均の2倍以上います。そして、釧路の場合、宿題の中途半端な子も非常に多い。
自分は鳥取・鳥取西・大楽毛方面の西地区の子供さんを受け持ったときに、一番最初の段階で、宿題を全部言われたとおりにやったという子に当たったことがありません。やっていないか、必ず一部を残します。塾などでも、プリント3枚出したら1枚目の半分くらいやって「宿題をやった」と言います。出されたものをきちんとやりきるという事が無いんですね。ちなみに、今回の総合Bの学力テストで学校平均が160点を超えた阿寒方面では、その逆で中途半端な子の方が少ない。
そして、中途半端な子は学力が伸びません。
附属中に通っている子でも武修館に通っている子でも、この西地区出身の子は宿題が中途半端ですから、おそらくは、中学校の問題ではなく小学校段階の問題である可能性が高いと思われます。それも、一部の小学校というよりは、西地区全部の小学校で宿題に対する感覚が甘いのではないかと思います。同様の傾向は、愛国小にもあって、ひょっとするとこれが景雲中の学力が低下している原因かも知れません。
西地区に限らず、他の地域でもこのような状況が見られますが、そういうところで「小学校のときにどんな宿題が出ていた?」と聞くと、ほとんどの子が「宿題は全然出ていない」とか「滅多に出ない」と答えます。お母さんの方でも「宿題が出たのを見たことがない」とおっしゃる方が多いんですね。
ところが、学力調査の結果では、先生は「宿題を毎回出している」という回答が多いんですよ。どこかおかしいような気がするんですが。 そして、その話を突き詰めていくと、どうやら学校からは「家庭学習として、何でも好きなものをやっていい」という指示を受けているらしいんですね。ところが子供達の立場で言うと「宿題が出ている」という感覚では無いようなんです。特に提出しなくてもいい、好きな人だけ提出すればいい、という「義務化されていないもの」という感覚で捉えているようなんです。
ですから、こちらから宿題を出しても「やろうと思ったところまでやっておけばいい」とか「とりあえず、時間の空いたときにやっておいて、やった分だけ提出すればいい」という感覚でいると思っていた方がいいでしょう。
そして、現在進行中の中3の総合ABC学力テストで、学校の平均が140点を切っているところは、ほとんどがこの状態でしょう。酷いところは中学校でも「好きなことをやって、提出したい人だけ出せばいいよ」の感覚がまかり通っていると思います。
さらにやらなかった言い訳が「時間が無かった」なんです。 自分の方では、1ページこなすのに何分かかるかを必ずストップ・ウォッチで計り、この問題のレベルだとどのくらいの時間がかかるかを想定して宿題を出します。
中学生で、小学校の内容が怪しく、かなりの量を復習しなければならない、というタイプの子で、毎日、40分~60分ほどになりますが、大抵は毎日30分程度を目安にしています。
ところが、実際にやってあるページを計算してみると、せいぜい1週間で60分に満たないレベル。
小学校の低学年じゃあるまいし、毎日の勉強量を「学年×10分+10分」計算してみても、大幅に足りない量なんですよ。他に何をやっているんでしょうか? 部活や習い事をやっていても、これ以上いくらでも出来ますし、実際にやっている子はきちんとやっているんです。
こんな感覚で高校に行って、高校の勉強について行けますか? 大学に進学できると思いますか? 専門学校に行って資格試験に合格できますか?
この状況で就職した場合も想定してみましょう。仕事が与えられても、自分の好きなところだけやって、与えられたものをきちんとこなすということが出来ない場合、仕事にならないでしょう。それで怒られ続けていくと、そのうち「こんなことは自分のやりたいと思っていたことと違う」「職場が自分に合わない」という言い出して、すぐに会社を辞めてしまうんではないでしょうか。こんな中途半端な感覚で物事を進めていること自体、とんでもない事ですよ。
とにかく、この状況は早急に改善が必要です。アンケート結果で宿題を出しているという事になっていたとしても、その宿題の内容まできちんとした調査が必要でしょう。また、宿題をやって来なかった子に対して、どのような対応をしているか、という部分の調査も必要だと思います。
そして、もう間もなく全国学力テストの結果が全体に公表されますが、その際、どの学校が全道平均を超えていて、どの学校が全道平均に満たなかったのか、その結果と宿題の状況との照らし合わせを必ずやって欲しいと思います。 よく、家庭環境が悪い、塾に通わせられない所得の低い所の子の学力が低いなどと言われますが、実際は塾に通ったりしても、この状況で学力が伸びない子がいるわけですから、もはや「家庭の責任」だけでは無いと思いますよ。
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