これも2018年に書いた内容です。もちろん、読書の方法についてですから、今でも通用する内容です。
<音読は朗読、じゃあ、黙読は?>
読書の方法として、まだ、本自体を読むという習慣が無い「幼児〜小学校低学年、もしくは、それに該当するレベルの読書力の子」については、まず「元気良く、間違えないように声に出して読みましょう」という練習をする、という話は以前書きました。
そして、音読については、登場人物の感情などを考えて、それを表現しながら「朗々と読む」〜いわゆる「朗読」の形で「読む練習をする」という話も以前書きました。
ちなみに、この「音読」、絵本の読み聞かせや朗読会のような場面で扱われる内容は主に「文学的文章」になりますから、朗読として扱われる種類の本は「お話の本」とか「小説」が主になりますね。
それで、今回は「黙読編」です。
そこで、まず、大事になるのが、黙読は「音声変換をしない」という事です。もちろん、小学校の低学年くらいであれば、いわゆる「声に出して読みましょう」という練習を学校でもやっていますから「声に出したつもりで読む」という読み方を行っていると思いますが、そこから、徐々に「音声変換せず、字を見るだけで言葉を認識できる」ように鍛えていきます。
これは、経験のある人も多いと思うのですが、実際に文章を読ませたときに、ただ早口で読んでいるだけの子って、実は、国語力はあまり高くないですよね。ただ、単に「字を読んでいるだけ」の子にしかならないんです。一生懸命、字を追いかける事だけに夢中になって中身が頭に入ってこなくなるんです。本を読むスピードを上げようと、ただ早口で読むような練習をすると、かえって子供たちの国語力を落とすことになってしまいます。
さらに、これが、進んでいくと、早く読むために「飛ばし読み」をするようになります。そうなると、その本の中に出てくるキーワードだけを追いかけていくだけで文章を読んだ気になってしまって、実は文章全体を理解できていなかったりするわけです。
そうなると、理解力も深まらず、ただ、上っ面を撫でているだけだったり、何か、気になる単語が出てきたら、それに執着して、全体的な内容から外れた「とんちんかんな読み方」をしてしまうんですね。そうなると、全く国語力が上がりません。
そこで、読書のスピードを上げながら、内容をしっかり把握できるようになるためにとる方法が「音声変換しない」という方法になります。
実際に本を読んでみると分かるのですが、いちいち音声に変換せず、文字を見るだけで意味を捉えられるようになると、文章を最初から最後まで、きちんと速く読み切れるようになります。もちろん、ある程度訓練が必要ですが、読書量が多く、なおかつ意味をしっかり理解している人は、大抵が上記のような「音声変換無し」の読み方をしています。
さらに、これを進めていくと、一つ一つの言葉を見ることから、ある程度続いた言葉のかたまりをいっぺんに見て内容を認識していけるようになります。例えば 「国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった」を 「国境」「の」「長い」「トンネル」「を」・・・・と分けて視点をずらす方式から 「国境の」「長いトンネルを」・・・・・とまとめていき、最終的には 「国境の長いトンネルを」までをブロックで一気に捉えるようにしていきます。
そうすることで、読書スピードが格段にアップするんですね。そして、これを究極まで高めたものが、皆さん、ご存じの「速読法」なんです。
もちろん、自分はそこまで行き着いてはいないですし、自分ももういい年ですから、視野もちょっと狭まってきている感じで、せいぜい「ゴルゴ13」のマンガのセリフくらいまでの縦幅くらいしか、いっぺんに視野に入れられないのですが、それでも、この縦幅を視野に入れられれば、字を追いかけて、いちいち目線を縦に動かさなくても、目線を横にサッとずらしていくだけで、マンガのセリフが全部頭に入ってきます。
ということで、黙読の方法は「音声変換しないこと」。特に「論理的な文章」で、音声変換で飛ばし読みをしていると、結局、その内容の一番肝心なところが理解できていなかったりします。いわゆる「単語・フレーズ」だけを読んで、理解したような気になっているだけなんですね。
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