これも2020年に書いた内容です。最近では、釧路の小学校では、この状況を意識して、宿題などの練習量が充実してきていますが、中学校はまったくダメという状況です。
<次のステップをきちんとこなすために>
国語・数学・英語は、それまでに習ったことを積み重ねて行く科目なので、よく「積み重ね科目」などと言われますが、学力が低くなるに連れて、この3科目がピシッとしなくなります。そして、この積み重ね科目で学力が上がらない原因も、ハッキリしています。その中の一つが、 「前に習った内容の習熟度が足りない」 ということです。
例えば、中1で方程式を習ったとき。 もちろん、習ったばかりの時は、まだ、時間がかかって、たどたどしい解き方をしている子が多くいるのですが、大抵の場合、とりあえず答えまでたどり着いていればオーケーということで、そこでおしまいになってしまっていまう。要するに、そこから先の練習が不足しているんですね。 こういう子が、中2の連立方程式を習うと、途中で分からなくなってしまったり、異常に時間がかかったりします。
実は、中1の「まだ、たどたどしい段階」から一歩進めて「基本的なものは、見た瞬間、スラスラ解ける」というレベルまで練習をしておかなければ、次の中2になったときに苦労するんです。中1の内容が頭からスラスラ出てくるから、先生の説明も理解できますし、中2の内容も、比較的早く身につくんですね。
国語や英語でも同じです。習ったばかりの漢字や単語は、最初は、ちょっと時間をかけてでも、何度か練習して身につけておかなければなりません。そして、次に文章で出てきたときに、意味がスラスラ頭から出てくるようにしておかなければ、文章の意味が分からなくなってしまいます。
ですから、こういった、いわゆる「習熟」の度合いが薄いと、学年が進み、レベルが上がっていくと、だんだんついて行けなくなるという状況になって行くのです。
これを防ぐためには、自分で時間を計って、短時間で多くの物をこなせるようになっているかどうかを確認すること。指導する側としては、前に習った必要な事が、子供達の頭からサッと出てくるかどうかを確認すること。
学力の低い学校や地域では、こういう「習熟」の感覚が無く、とりあえず出来ていれば、教える側も教えられる側も「できる」と判断しているんですね。
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