top of page
  • markun5

積み重ね科目での学力向上

 これも2020年に書いた内容です。最近では、釧路の小学校では、この状況を意識して、宿題などの練習量が充実してきていますが、中学校はまったくダメという状況です。


<次のステップをきちんとこなすために>

 国語・数学・英語は、それまでに習ったことを積み重ねて行く科目なので、よく「積み重ね科目」などと言われますが、学力が低くなるに連れて、この3科目がピシッとしなくなります。そして、この積み重ね科目で学力が上がらない原因も、ハッキリしています。その中の一つが、 「前に習った内容の習熟度が足りない」 ということです。


 例えば、中1で方程式を習ったとき。  もちろん、習ったばかりの時は、まだ、時間がかかって、たどたどしい解き方をしている子が多くいるのですが、大抵の場合、とりあえず答えまでたどり着いていればオーケーということで、そこでおしまいになってしまっていまう。要するに、そこから先の練習が不足しているんですね。  こういう子が、中2の連立方程式を習うと、途中で分からなくなってしまったり、異常に時間がかかったりします。


 実は、中1の「まだ、たどたどしい段階」から一歩進めて「基本的なものは、見た瞬間、スラスラ解ける」というレベルまで練習をしておかなければ、次の中2になったときに苦労するんです。中1の内容が頭からスラスラ出てくるから、先生の説明も理解できますし、中2の内容も、比較的早く身につくんですね。


 国語や英語でも同じです。習ったばかりの漢字や単語は、最初は、ちょっと時間をかけてでも、何度か練習して身につけておかなければなりません。そして、次に文章で出てきたときに、意味がスラスラ頭から出てくるようにしておかなければ、文章の意味が分からなくなってしまいます。


 ですから、こういった、いわゆる「習熟」の度合いが薄いと、学年が進み、レベルが上がっていくと、だんだんついて行けなくなるという状況になって行くのです。

 これを防ぐためには、自分で時間を計って、短時間で多くの物をこなせるようになっているかどうかを確認すること。指導する側としては、前に習った必要な事が、子供達の頭からサッと出てくるかどうかを確認すること。


 学力の低い学校や地域では、こういう「習熟」の感覚が無く、とりあえず出来ていれば、教える側も教えられる側も「できる」と判断しているんですね。

閲覧数:11回0件のコメント

最新記事

すべて表示

子供の雰囲気に左右されない

若手の先生にありがち(中にはベテランでも?)だと思うのですが、生徒が割と積極的で一生懸命やっているクラスでは「調子よく授業が出来る」けど、生徒が乗り気にならないクラスでは「授業があんまりパッとしない」ということになる傾向にあると思います。これは、裏を返せば単純に「子供の雰囲気に流されている」状況であると判断しましょう。 これが指導力がしっかりしている先生になると、生徒の状況に関わらず「きっちりした

不正確な知識やうろ覚えは、マイナス効果

中2辺りから顕著になってきますが「不正確な知識」や「うろ覚え」で、なんとかそれまでのテストをこなしていた子は、途中から急に理解不能になり、自信をなくしたり勉強から離れて行ってしまいます。 理由は、英語だと「接続詞」「不定詞」「動名詞」などで、一つの文章が長めになり、文法力がしっかりしている子でなければ対応出来なくなるため。 数学だと理由をつけて説明する「証明」で、その理由に当たる部分が不正確な知識

計算ミスは3%以内に

算数・数学で思考力が身につかない原因の一つは「計算ミス」。一見「思考力」とは関係ないように思えますが、「なぜ、これが思考力アップの妨げになっているか」というと、答えを間違えた場合「文章の読み取りで間違えた」のか「単に計算を間違えたのか」の確認をきちんとしない子になっていくからです。 そして、自分の経験上、この境目となるのが「分母が20以下の真分数、または小数第1位までの2桁の小数で、2数・ないし3

記事: Blog2_Post
bottom of page