これも今まで書いてきたものをまとめたもので、2020年に前のホームページにアップした内容です。
<前段階の習熟度合いが重要です>
ここでは、どのように漢字検定をレベルアップさせていくか、というお話です。
それで、普通は、単純に「受かったら、次の級をやらせる」という方が多いと思うのですが、次のレベルと自分の実力のギャップが大きい場合、そこで挫折してしまう子が出て来るんですね。
実際のところ、漢字検定基準で、小学生レベルの5級程度までの場合、7割正答で合格しますが、このギリギリ7割での合格の場合、次の級のテストを行うと、通常5割程度の正答にしかなりません。場合によっては、3〜4割程度の子も出てきて、こういう子が 「もう、漢字検定、やりたくない」 と、なって行きやすいのです。
また、小学生レベルの場合、ほぼすべての漢字において、学年が進めば「普通に読めるでしょ」という感覚で本や教科書が書かれていますから、7割程度の正答率では、今後、つまずきが発生する可能性が高いのです。
ですから、
10〜8級では、150点満点中145点以上、
7〜5級では200点満点中180点以上をひとつの目安にしてください。
ちなみに、中学校内容の4・3級であれば、200点満点中170点以上がいいと思います。
このレベルまで到達していると、次の級に上がっても、合格まであと少し、割合で言うと6〜7割程度まで点数が取れるようになっていますから、子供さんのモチベーションが落ちないまま、次の級の勉強に向かっていけるようになります。
そして、これは数学・算数の「習熟」の所にも書きましたが、前の学年の内容がスラスラ出来るようになっていると次の学年の内容が身につきやすいというのと同様、漢字検定でも、前の級の内容がスラスラ出来るようになっていると、次の級の内容を身につけやすい、ということになるんですね。
自分のケースでは、たとえ漢字検定を受験して合格していたとしても、上記の合格ラインに到達していない場合は、そこに到達するまで、繰り返しテストをさせたり、間違えた漢字のやり直しをさせています。そして、繰り返しテストを行うことで、習熟度が上がり、その分、底力がしっかりついてきますから、学校のテストの点数がだんだん安定していき、突然、ドンと点数がさがってしまう、ということが起きなくなってくるのです。
釧路では、最近、小学校では漢字に対し、積極的になっている学校も多いようで、全国学力テストでも、全国平均を上回っている学校が出てきているのですが、これが中学校に入ると「好きな人はやりなさい」程度になってしまい、中学校に入ってから伸び悩んでいる人もかなり多いと思います。
こうなる原因の一つは「中学校の教科書に出てくる言葉が難しくなり、意味が理解出来なくなっていく」というもの。それを回避するため、中学校に入ってからは、自力で漢字検定に向かっていって欲しいと思います。
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