これも2015年に書いた内容です。
当時は「ゆとり教育」の反動から、漢字検定がらみで「芸能人が漢字検定を受験する」という番組が人気があったり、さらに一歩進めた「美文字」を扱っていた番組もありました。そして、このころから、日本全体で「学力向上」の方向に向かっていたと考えていいでしょう。
それに乗り遅れてしまった人は、今からでも大丈夫。ちゃんと練習しましょうね。
<きちんとした姿勢で字を書く癖をつけると・・・>
前の項目で、姿勢について書きましたが、この姿勢を身につけるのに一番いいのは、おそらく「きちんとした姿勢で字を書く練習をする」ということではないでしょうか。
さて、漢字と言えば、お父さん・お母さんの中には「漢字は苦手〜」と、ちょっと目を背けがちになってしまうという方もいらっしゃると思いますが、そこは子供さんの教育です。一念発起して、今度は「お父さん・お母さんが、子供さんと一緒に漢字の練習をする」くらいに考えてください。
実際に、自分が受け持った生徒が「漢字が不得意」でなかなか点数が伸びていかなかったときに、その子のお父さんが「自分も仕事で使うし、こういう機会でもなければ練習しないから、私も子供と一緒に漢字検定を受験します」と言って、結局、家族全員で受験に行ったという家庭もありました。
また、今までは、漢字というと漢字検定について書いたものが多かったのですが、特に漢字検定にこだわらなくても、漢字の練習はできますし、検定は一つの目安とかんがえてくれればいいと思います。
漢字を覚えていく過程では、当然「最初から音読み・訓読みの両方とも出来て、筆順もしっかり、意味もしっかり分かっている」というものもあったり「筆順はめちゃくちゃなんだけど、とりあえず形は分かる」というものもあったり、様々だと思います。もちろん、最終的には筆順通り、止め・はね・払いもきちんと書けて、意味も分かって、出来れば語源も分かって・・・というのが望ましいですよね。
だけど、最初から「何でもかんでも、きちんと出来なければダメ」では、肩が凝ってしまいますし、それこそ、長続きせず三日坊主に終わってしまう方も多くなってしまうのではないか、と思いますので、とりあえず、字の形を覚えるだけ、からのスタートでも構いません。
となると、当然、子供さんも同様で、最初からきちんと出来るレベルに到達していない場合、「正しい筆順で、部首もしっかり覚えないとダメ」と首を絞めるのは得策ではありません。まずは、読んで、次に「とりあえず書けて」。その後、徐々に筆順を覚えたり、音読み・訓読みの区別を付けたり、部首を覚えていったり、漢字の生成「象形・指事・会意・形声」の4つのどれに当たるのかを身につけていったり、と順を追って新しい知識を追加していくといいと思います。
ちなみに「音訓の重箱読み・湯桶読み」や「象形・指事・会意・形声」の区別については、公立高校の入試にも出題されています。ですから、スタートはどうであれ、最終的には、公立高校入試あたりを目安にして、そこまでの内容を身につけられるように練習していくといいでしょう。
もう一点は、上手な字を書くことです。よく、高校生が小学生のような字を書いているのを目にしますが、これもまた、ちょっと情けない。この点においては、生徒の姿勢の崩れとともに、字が幼くなっていったように思っています。何らかの相関関係があるだろうと思います。
今ではパソコンが主流で、はがきなども、すべてパソコンを使ってしまう人も多くなってきていますが、それでも、領収書を書く、などと言う場合は、やはり手書きですし、また、パソコンの普及と逆行して、絵手紙なども注目を集めるようになってきてます。仕事上では、見やすいパソコンの字もいいですが、個人的なおつきあいということになると、最終的には直筆が重宝されるようになるのではないか、と思っています。そういった場面に対応できるように、子どものうちから「きちんとした姿勢で字を書く練習をする」というのは、とても大切なことではないでしょうか。
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