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  • markun5

数学は「目先」を追いかけると大失敗

 これは2018年に書いた内容です。

 比較的、学力の安定しているところは、ここに書いたようなことはあまり起きないかも知れませんが、低学力の地域になればなるほど、中学生でも「小学生の内容をしっかりさせることが大切」になります。


<目先ばかり追いかけると、うまくいきません>

 自分は、ここで「入試で落とさない」という話を書きましたが、今回は「なぜ、落とさないか」という事を書いておきますね。それは「国語・算数をきっちりやる」からなんです。そして、ここでは特に「算数」についてのお話。


 実は、自分が受け持っている子って、総合ABCの間でも、実際のテストで出てくる数学の問題より「小学校の算数」を優先して勉強しているんです。なぜかというと、算数がしっかりしていれば、中学校の数学の問題に11月あたりから入っていっても、今まで60点満点のテストで10点台とかせいぜい20点前後だった子が30点以上の点数になってきて、模試などでも偏差値50を超えて来るんです。もちろん、入試もその調子でいけます。

 なぜかというと、実は、中学校の基本って、小学校内容がしっかりしていれば誰でも出来るような問題なんです。関数については、ほとんど代入の計算がしっかり出来ればオーケー。図形の角度や面積も小学校内容にちょっとだけプラスαされているだけ。ところが、周りの生徒はそれすら出来ずに10点台・20点そこそこの点数を取っているわけですから、小学校内容をしっかりやっておけば、簡単に、そういう子供達を抜けるんです。


 そして、これはプロの視点になるのですが、別項目で書いている「数学のセンス」というものがあって、これがしっかりしてくると、大崩れしなくなるんです。要するに、得点力が安定して来るんですね。さらに、算数・数学が出来るようになると、格段に違ってくるのが「正しい判断力」なんです。

 「なんだか分からないから適当に答えを書いておこう」という感覚から「これはこうだから、答えはこれ」というふうに、しっかり考えて答えを書けるようになって来るんです。当然、こういう感覚は、数学だけではなく、他の科目にも影響しますから、他科目でも、極端に悪い点数を取ってくることが無くなって来るんです。(この点に関しては、実は、国語も関与するのですが、それはまた、別の機会に)


 ところが、目先ばかりに目が行ってしまうとどうなるか、というと「もう、数学は無理だから捨てて、社会や理科で点数を取れるようにしよう」という事をやり始めるんですね。そうやって、無理矢理覚えさせて、最終的に覚えきれなかった子が落ちていく・・・という結果になるわけです。

 そして、なぜそういう結果になったか、というと、内容を理解できずにただ覚えようとしたから、テストの設問で何を聞いているか良くわからなくて思いついた答えを書いた、というのが大きな原因の一つ。これ、算数がきちんとできていて、理由と内容を結びつけて覚える感覚が身についていれば、ほとんどの子は間違いません。こういう部分が不備で起こる現象なんです。


 さらに言うと、今の学校の数学の定期テストって、すごく易しいんです。ですから、塾などでは「とりあえず、解き方を覚えろ」式で勉強させるわけですよ。そうすれば、定期テストではそれなりの点数を取って来るんです。ところが、そういう「社会科」のような勉強のさせ方をした途端に、数学の学力は逆に下がっていると考えください。結果として出ていると思いますが、塾に通っていようが何であろうが、結局、総合ABCの平均では、10点台、20点台の山になっています。

 本来であれば、湖陵に行きたいと言っている子なら、総合ABCの数学だと、普通に50点以上行かないと。高専もそう。50点を切ったら落ちる、くらいの感覚にならなければならないだろうし、江南・北陽でも普通に40点台に乗らないと。明輝や商業の情報を狙っている子なら、30点台に乗らないと、情報以外の商業や工業で20点台、という意識で勉強が進められるようになるのが、普通の状態だと思います。そうなれば、数学が不得意で、平均点を下げてしまうような子がいたとしても、学校平均で30点を超えてくるはず。でも、まだ、全然、そうなっていませんね。それは、単純に勉強のさせ方が悪いから。目先ばかりを追いかけているからなんです。


 ですから、「数学のセンス」と「正しい判断力」に裏付けされる「底力」を身につけさせる事が、本当に大切な事なんです。そして、この「底力」があれば、大人になっても、きちんと物事を考えていけるようになって行くんですね。

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