今回も2017年に書いた内容です。
どちらかというと、先生向きの内容ですが、学校の参観日などで授業を見学するときに、こういった視点で保護者の方が先生の授業の評価をしても、いいのではないかと思います。
<大事なのは「それ以外の所」>
学校の先生方の「忙しい」の大きな原因の一つとして、特に、小学生の場合「教材作成」というのがあるんだそうです。黒板に貼るものを作って、授業を分かりやすくしようとしたり。中学生あたりだとプリント作成などもあるんでしょうね。 ところが、この教材作成が学力向上の大きな妨げになっているケースがあるので、今回は、そのお話です。
というのは、特に授業の展開を考えずに「教材作成」ばかりに目が行ってしまっている先生に多いと思うのですが、自分で作った教材を使うときには、使い方などを工夫したりしてスムーズに授業が進むのですが、そういう教材を用意していない部分がガタガタ。
例えば、以前、学校の先生の授業を見学したときの事なんですが、黒板にいろいろな図形を貼り付けて、ああだ、こうだ、とやっているうちは調子がいいんです。ところが、問題演習に入って、みんなが教科書の問題を解いたあとの解説がグダグダ。そこから、一気にペースダウンして、授業の最後は、結局、何だか訳がわからん、ということになってしまっているんですね。
要するに、その日の授業で何を身につけさせなければならないのか、どこに重点が置かれるべきなのかを考えずに、教材を使って説明しやすいところばかりに目が行ってしまっていて、肝心のところの準備がしっかり出来ていないんですね。
まあ、正直に言うと、自分で一生懸命作ったものですから、それを目一杯使って授業をしたい、という気持ちは分からなくも無いのですが、でもね「そこじゃないでしょ」という感じなんですよ。
それで、授業の組立の仕方を簡単に書いておきますが、 1 その日の授業で身につけさせるものは何か、をしっかりさせる。 2 そのメインの内容に向かって、どのような手順で授業を進めるか、段取りをしっかりする。 3 その段取りの中で必要な教材を考える。
ということで、教材を考えるのは、最後の最後なんです。それを「まず、教材ありき」からスタートするから、授業内容が本末転倒してしまうんです。同じように「まず、教科書を消化させる」もアウト。「とにかく、教科書の隅から隅まで全部きちんとやろう」というのも、どこがメインで、どのように子供達に与えるか、ということを考えていない点では全く同じなんです。こういう授業をやっていては、学力はついていかないんです。
ですから、教材作成はあくまでも「付加」と考えて、メインの内容をどのようにして身につけさせるか、からスタートして、授業を構築するということが大事なんですね。
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