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授業のAI導入について

 最近では、授業にAIを導入しようという動きが出てきています。塾などでも「AIを使って、子供さんのレベルに合った勉強が出来る」という宣伝文句がついていたりしますが、実際にはどうなのか、という話です。


 それで、AIを使った勉強と言うのは、どういうシステムなのかというと、こちらに入って来ている情報では、問題が提示され、出来たら「レベルの高い問題」が提示され、出来なかったら「レベルの低い問題」が提示され、という単純な仕組みになっているようです。


 ところが、これが「学力向上に向かうか」というと、残念ながら、まだ、AIでは、そのレベルに達していません。

 というのは、最初に出てきた問題を間違えた場合「どこを間違えたか」という提示が一切ないんです。


 学力向上のためには、一度やった問題を間違えた場合、その問題の「どこを間違えたか」を確認し、そこを復習・練習して出来るようにしていく、という形になります。そして、最悪、どうしても子供さんが理解できずに、いつまでも、その問題が出来ないようであれば、もう一つ、下のレベルの復習に向かう、という流れなんですね。

 ところが、AIでは、この解答解説がつかず、一発勝負で、出来なかったら、すぐにレベルの低い問題をやらされる、というシステムになっています。


 ですから、今の段階では、結局、先生がきちんとついていて、子供さんの「AIが出した問題の解き方」をみてあげて、それで、出来なかった場合、その問題の解き方を先生が直接教えてあげない限り、いつまでも低いレベルのまま、上のレベルに上がっていけなくなってしまうシステムなんです。


 おそらく、そのうち、AIのレベルが向上し、間違えたパターンなども学習して、もっとすぐれたシステムになっていくだろうとは思いますが、今の段階で、むやみにAIを信奉するのは、間違いです。

 塾などでも、間違えた場合、先生がどういう対応をしてくれるか、というところを確認して選ぶといいでしょう。AIにそのまま任せっきりになっているところは、避けた方がいいと思います。

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