これも2017年に書いた内容です。
<「垂直思考」と「水平思考」>
「思考法」について、ちょっとかじったことのある人だったら分かると思いますが、思考法には大きく分けると2種類あって、一つは「垂直思考〜ロジカルシンキング」、もう一つは「水平思考〜ラテラルシンキング」と言うんですね。それで、こういう専門用語を使うと、ちょっと難しく感じてしまうと思うのですが、実は、それほど難しく考える必要はありません。「扇形のピザの話」を例にとってお話ししていこうと思います。
さて、問題です。 「中心角60度、半径12センチのピザ」と「中心角40度、半径16センチのピザ」の2つのピザがあります。「ピザの縁の部分」が好きで、その「ピザの縁の部分を多く食べたい」と思ったら、あなたはどうしますか?
まあ、問題の設定としてはこんな感じでしょうか? 最近のピザは縁の部分にチーズとかソーセージが入ったりして、縁の部分が好きという人も多いかも知れませんね。そして、この問題を目にしたときに、扇形の弧の長さを計算して多い方を取ろうと思った場合、これは、計算によって答えを求める思考法ですから「ロジカルシンキング」の方に当たるんですね。
ところがここで、こう考えた子がいたらどうでしょう?
「縁の部分だけ両方からちぎって食べればいいでしょ」。
ある意味、正解じゃないでしょうか。これが、もしも、ピザを分ける相手が「縁より中の方が好き」というケースであれば、「おまえに中をやるから、俺に縁をくれ」と言って分けあう方が、お互いが満足できる、一番良い解決法ではないかと思いますね。 ひょっとしたら「子供の頃、パンの耳が嫌いで、中の柔らかい所だけほじって食べた」なんていう経験のある方もいるのでは? と思いますが、このように、数学の公式などを無視して考えるという場合「ラテラルシンキング」の方に近い考え方になるんです。
ただ、この扇形の問題、実際は、ある中学校の数学の授業で扱われていたんですね。ですから、後者の「ラテラルシンキング寄り」の解答は排除されてしまいます。でも、それであれば、最初からピザなど出さずに「扇形の弧の長さはどちらが長いですか」と言う方が、ずっとまともなんです。
そして、ロジカルシンキングしか認めないような立場をとっておきながら「これが問題解決学習です」という。でもこれでは「問題解決学習」もへったくれも無いんですよ。本当に問題解決学習をやりたいなら、ラテラルシンキングも思考の中に入れておかなければならないんですね。
ということで、ラテラルシンキングというと、よく言う「頭の体操」とか「固い頭を柔らかくする」と言った類の「クイズ・パズル」などでよく見られる方法なんです。ですから、こういう思考法を身につけるには、ある程度基礎知識があって、それを元に考える事が必要になってくるんです。
それでは最後に、問題解決学習を皆さんでやってみましょう。 「お父さん・お母さんと3人の子供で、ホールのピザを5等分しようと思います。どうしますか?」 4等分くらいなら、目見当でもできますが、5等分となるとちょっと難しいでしょ? ましてや、ピザの中心に分度器を当てるなんていうことも出来ません。さて、あなたなら、どうしますか?
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