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得意・不得意に惑わされない

 子供達がよく言う「私、これ得意」「私、これ嫌い、不得意」という言葉。ところがこれを鵜呑みにして「得意なところからやらせよう」と思って取り組んでみても全然出来ていない、なんていうことがありますよね。実は、子供達の「得意・不得意」は、学校で「出来ている・出来ていない」が基準になっています。学校で勉強している内容で「出来ている・分かる」と思える科目が得意・「出来ない・分からない」と思える科目が不得意という判断ですね。

 特に第一印象が大事で、一番最初に「分かる」と思った科目は、その後多少難しくて出来ないものが出てきても「得意」と言う子が多く、この逆の場合で「不得意」と感じる子が多いはずです。


 ところが、もしも、学校で「簡単な内容だけしかやっていない数学・算数」と「難しい内容をどんどんやっている英語」があったとすると、どうでしょう? 

 子供達は基本的に「数学が得意」という方向に流れて行きやすいのですが、実際は難しい内容までやっている英語の方がずっと学力が高くなっているという事も少なくありません。


 ですから、子供達が「得意」「不得意」と言っていたとしても、そういった背景まできちんと把握していかなければ、子供達の言葉の裏にある意味を理解できず「得意って言っているけど、思ったより出来ていないね」という事になってしまいます。そして、それとは逆に「子供達の言葉の裏」までしっかり認識出来る先生は、生徒の現時点での学力をしっかり判断してかかりますから「得意・不得意」に惑わされず、その子の学力レベルに合わせて指導していきます。


 さらに、そうやって子供達の「出来るレベル」を判断しながら授業を進めていくと、子供達の中に「出来る」という感覚が養われてきますから、今まで子供達が「出来なくて、不得意」だと思っていたイメージがだんだん変わって来て「得意」になることもあるのです。


 よく「得意なものから勉強を」という言葉を聞くと思いますが、これは勉強のきっかけを与えるための言葉で、お母さん達に子供さんの勉強を進めさせてもらうための方便と思って下さい。

 そして、本当なら、子供の学力レベルを判断し、それに合わせて指導していき、得意・不得意、両方をしっかり伸ばす指導ができるといいですよね。

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