これも2017年に書いた内容です。ですから、全国学力テストの結果も、その当時のものと思ってください。
<釧路では、他地域と違うおかしな現象が・・・>
他地域と違い、釧路の場合、全国学力テストの結果から、釧路市内よりも周辺部の方が学力が高い、ということが判明しています。それで、どうしてこういう現象になっているか、ということを今回、書いてみようと思いますね。
基本的には、いわゆる「都市部」の方が「地方」よりも学力が高くなりますが、その原因は、大きく次の2つなんです。 1 高校入試に競争がある 2 塾に通っている子が多い
1の「高校入試に競争がある」というのが、これが都市部の学力が高くなる一番の要因で、高校が1つしかなく、勉強しなくても合格してしまう、という状況であれば、よほど「将来、大学に進学したい」というような、将来の目標でもない限り、勉強しなくなってしまいます。こういう関係で、地方では、徐々に学力が下がって行くんです。
そして、2の「塾に通っている子が多い」というのは、1の理由に付随して、高校入試に競争があるわけですから、当然、勉強をきちんとしなければならないという意識も働きやすく、結果、塾で勉強する子が増えてくるわけです。
ここから、通常は、市内〜いわゆる「都市部」の学力が高くなる、という傾向になるんですね。
それじゃあ、なぜ、釧路の市内は周辺部より低くなるのか、という話なんですが、まず、1の理由から考えてみると、高校入試に競争があるのは、釧路市内です。ですから、他地域と条件が同じですよね。
ただし、他地域は、公立普通科が2~3校に商業・工業という配置が一般的で、例えば、釧路周辺で言えば、北見の場合、市内の普通科は「北斗・柏陽・緑陵」の3校、帯広は「柏葉・三条・緑陽」の3校です。また、北見は私立は女子高のみで、男子の併願する私立は旭川になるケースが多い。
それに対し、釧路の場合は、旧同一学区内では、商業・工業の上に「湖陵・江南・北陽・明輝」の4校があり、商業・工業の下に「東」がある、という、要するに「あまり勉強しなくても、どこかの高校に行ける」という状況になっています。
いわゆる「入試がかなり緩い」ということです。
当然、そうなると2の塾の状況においても、進路指導が緩く、指導も緩慢になりやすいということです。
さらに、今まで釧路で起きていた現象を、もう一度おさらいしてみますが、釧路の総合学力テストの数学の点数。これ、平均点が「赤点」じゃないの? なんて言われていたんですが、何のことはない、これ、学習塾に通っている子も含めての平均なんです。当たり前ですよね、学校の平均なんですから。英語なんかも悲惨でしょ。
ここからわかることは「塾の指導力も低い」ということなんです。
実は、以前、釧路市内の子供達がだらしなかったときに「遅刻者は入室させません」というような厳しい対応をしていた塾があったのですが、それがどうなったかというと「そんなに厳しいなら、行きたくない」が始まって、結果、閉鎖してしまったりしているんですよ。要するに、ちゃんとした塾が生き残れないような環境だったんです。自分も、そういう環境で塾を立ち上げてもジリ貧になるだけだろうと思って、家庭教師という選択をしているんです。
それじゃあ、既存の塾はどうだったか、というと、結局、だらしなかろうが何であろうが、誰でも受け入れて、とりあえず生き残ってきた、という経緯なんです。これでは、学力はあげられませんね。そして、今でも、その感覚で続けているから、市内の方が学力が低いという現象になって、表れているんです。
ですから、塾に対する目線が厳しい転勤族の人たちから見ると、釧路にはまともな塾が無い、という話になるようで、この辺りの話は、そういうお母さん方が書き込んだ「2ちゃんねる」とか「ブログ」あたりでも、ちょくちょく目にするんですね。
ただし、最近は、子供達の生活環境が変わりつつあり、だらしない子が少なくなってきていますし、学校の授業がだんだんまともになって、学習進度をきちんと守れるようになってきていますから、今まで、学校や生徒のだらしなさに乗っかっていた塾が、教室を閉鎖したり、縮小したりしてきているようです。ある意味、いい傾向ですよね。
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