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小学校2年生までの釧路の国語の学力状況

 これも2012年に書いた内容です。

 一つ前の項目で「学力を数値で把握すると子供たちの意欲が薄れる」という内容を書きましたが、実は、全国学力テスト(中3・小6が対象)の他に、他の学年の学力も把握しようということで、釧路では「釧路独自で行う学力テスト」として全国学力テストに該当しない小学校3年生~5年生・中学校1・2年生を対象にテストを行うことになったんですね。これに反対している大学教授が言ったのが「学力を~」の話なんです。そして、実際には、大学教授が言ったような馬鹿げたことは起きませんでした。

 むしろ、学力を数値で把握することで、授業の改善が行われていき、釧路の小学生は、全道レベルで見ても、かなり追いついてきた状況になっています。中学校は相変わらずダメですが・・・。

 ですから、数値で客観的に把握することは非常に大切なことで、大した内容でもないのに「自分は素晴らしいことをやっている」という根拠のない自画自賛を繰り返しているようなことから脱却できるようになるんですね。


<釧路独自で行った学力テスト結果より>

 今年4月に、全国学力テストの対象となっている小学校6年生と中学校3年生を除く、小学校3年生〜5年生、中学校1・2年生の学力状況が公表されました。今回は、シリーズで、この状況を考えていこうと思います。


 まず、はじめは、小学校3年生の国語のテスト結果から。  小学校3年生の4月という事は、小学校2年生までの学力状況を表しているので、タイトルは「小学校学校2年生までの国語の学力状況」としました。報告では目標値との比較が記載されていますが、目標値としている根拠が記されていないので、ここでは純粋に正答率から、状況を確認したいと思います。


 そこで、まず最初は、基本事項の内容から。  漢字の読み・書きの正答率は  「公園」の読み   98.3%  「雲」の読み    97.7%  「細い」の読み   94.5%  「声」の書き    92.4%  「計画」の書き   73.2%  「考える」の書き  83.6% となっています。

 また、カタカナの書きについては  「オムレツ」    79.3%  「エプロン」    77.9% となっています。


 数値を比較してみると、漢字よりカタカナの方が出来ていませんね。これは、たぶん「小学校1年生のときの指導が、あまり良くなかったのではないか」という印象で、なおかつ、小学校2年生の担任が「子供達の状況を把握せず、カタカナが出来ていないにも関わらず、そのまま放置しているところあり」と判断した方が良さそうです。というのは、漢字がある程度出来ているのに、カタカナが出来ていない、ということは、担任が「自学年」の内容を教える事は熱心だが、その前の段階へのフィードバックが出来ていないと考えるからです。こういったところは、宿題などで対応可能だと思うのですが、皆さんの子供さんの学校では、どのようにしているでしょうか。


 次に「文章の読み取り」などの内容です。  「物語の内容を読み取り、適切なものを選択する」  63.2%  「説明文の内容を読み取り、適切なものを選択する」 52.9%


 小学校の2年生の段階から、かなり文章を読みとれていません。そして、文章を読みとれていない一番の原因は語彙力と思われます。例えば、問題に出てくる「(モンシロチョウの)死がい」「えもの」「ふれあう」など、「え? これも知らないの?」と思うような言葉の意味が、最近の子供たちは分かっていません。

 おそらく、小学校の低学年から、こういった「意味を理解して本を読む」という習慣がなされていないのではないか、単に「声に出して字が読めればそれでいい」式の国語の指導にないか、ということです。国語力がつかないのは、そこが一番の原因ではないかと思いますし、こういう低学年の段階で「読書とはどうあるべきか」ということを理解させておかなければ、将来的に、ただ単に「字面」を追うだけの読書に終始してしまうのではないかと思います。

 お父さん・お母さんの頃は、漢字ノートと語彙ノートを、本来の国語のノートとは別に用意させられた記憶があるのではないかと思いますが、皆さんの子供さんの学校では「語彙ノート」を作っているでしょうか。そして、もし作っていたとして、そのノートが活用されているでしょうか。  また、普段使っているノート自体、きちんと活用されているでしょうか。


 ノートにまとめたり、作文に相当する文章を書かせていたり、そういった事を繰り返し行っていくことで、子供達の国語力はあがっていきます。ノートも取らず、先生が口だけで意味や内容を説明してお終い、となっていないかどうか、是非、参観日などで確認しておいて欲しいと思います。

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