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小学校の長期休暇補習を見学してきました

 2011年の12月に冬休み中の「学校の補習」を見学してきたときのレポートです。

 現状では、徐々に改善されていると思われますが、以前はこういう状況でした。


<以下、本文>

 釧路の小学校では、現在、長期休暇中の補習が行われています。補習と言う以上、目的はあくまでも「学力向上」。「サポート学習」と銘打って実施しているところもありますが、単に「冬休みの宿題のお手伝いを学校の先生がする」という場所であってはなりません。  夏休み中の補習では、宿題のお手伝いパターンのところも多かったようですが、今回の冬休みでは、しっかり学校でプリントを用意するところが増えてきているようで、そういう意味では学校の補習は少しずつ進化していきているようです。また、学校の先生の間にも子供達の「出来る=楽しい」を実感として感じてくれている方が増えていて、今後、さらに補習が進化していく事に期待が持てそうな感じがしました。


 さて、補習での学力向上、特に「算数」での学力向上と言えば、大切になるのは次の点になります。 1 子供のつまずきの発見 2 それを克服するための教材の準備

 自分は縁があって、今回、T小学校とK小学校の2校の見学に同行させてもらいました。そして、この2校の補習の対応の仕方が対照的で、興味深い状況だったので、ちょっとだけレポートします。


 まず、先に訪問したT小学校ですが、こちらは、事前にテストを行い学力計測をして、その点数によってクラス分け。教材も先生が独自に作ったプリントを中心に生徒にやらせるというスタイルでした。ただ、このプリントは該当学年内容中心で、上位クラスの生徒は、反復練習で成果が出ると思いますが、下位クラスだとちょっと厳しい。つまずいている箇所が、前の学年や、2つ前の学年の子には対応しきれていませんでした。せっかくクラスを分けたのですから、前学年内容のプリントなどを準備し、つまずいている学年からの復習をやらせてあげるともっと良かったのではないかと思います。  通常の授業でも補習は行っていないそうですから、そうなると、今回の補習でもついて来れなかった子は、通常の授業でもどんどんおいて行かれる事になるような気がします。  生徒のようすは、教材が生徒のレベルに適合している設問が多かったため、比較的集中していました。この辺は、先生の手作りプリントの成果だと思います。


 次にK小学校。こちらの学校は、通常の授業の際に補習が熱心に行われているそうで、つまずいているところまで戻って復習しようという意識が高いようでした。そして、担任が生徒の学力を把握しているという前提があるためでしょうか、特にクラス分けの基準はありませんでした。ただ、生徒にやらせているプリントは先生の作ったものではなく、道教委が用意しているプリントで、明らかに問題のレベルが学力に合っていない生徒が多く、雰囲気もやや雑然としたものになっていました。


 ということで、訪問した2校は、先生の意識の上では対照的。ただ、結果として2校とも「下位レベルの子を救えるような補習」という状況にはまだ至っていないというのが、自分の感想です。


 自分は前の項目で「教務力」について書いていますが、教務力は「教材8割、伝える技術2割」です。そして、ここで言う「教材」とは「どのレベルの子に、どの内容を、どういう手順で身につけさせるか」という流れがあって、それに則して用意されるものです。したがってかなり綿密な授業の計画が必要です。

 今回の補習は短期間での補習ですから、教材の準備もなかなか大変だったと思いますが、この短期間の補習でしっかりとしたシステムができあがっていて成果を出してくるのは、T小学校の方だと思います。

 ただ、通常の授業まで含めて1年間を通してみた場合、成果が出るのはK小学校の方だと思います。  今後は、できれば、お互いのいいところを取り合って、長期休暇の補習も通常の授業の補習も、しっかり進めていって欲しいと思います。

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