top of page
markun5

小学校の長期休暇中の補習を見学してきました

 今回も前のホームページに記載していた内容で、2012年に見学に行った「小学校の長期休暇中(夏休み・冬休み中)の補習についての感想です。

 当初は、3回に分けて載せていたのですが、今回は、それを一気にまとめてアップしてあります。


<愛国・城山・中央小の3校を見てきました>

 長期休暇中の補習が市内の小中学校で行われていて、今回の夏休みは、まず、前半に小学校を3校を見学してきました。そこで、ここでは自分の感想を書いておきたいと思います。


 まず、自分が見学の際に気をつけてみるのは、実は「教室掲示」です。というのは、教室の掲示物にその先生のクラスに対する気持ちや、子供達とどう向き合っていくのか、という部分が顕著にでるからなんですね。

 で、実は、昨年も何校かにおじゃましたのですが、そのとき気になったのが「1学期中に書いたり作ったりした生徒の作品を夏休み中も掲示している」ということ。こういうものって、1学期の終業式か、それより前に生徒に持たせてかえすものじゃないのかな? と思っていたのですが、昨年は、どの学校も、そのままの状態でした。

 ところが、今回おじゃました中で、城山小・中央小の掲示では、生徒の作品が外されているか、もしくは、継続できちんと収納してある形式をとっていて、きれいになっていました。自分は、これが当たり前だと思います。掲示物がそのままになっている学校は、ちょっとだらしないんじゃないでしょうか。


 次に、生徒に対してどのような約束事をしているのか、という部分の掲示です。例えば「授業中私語をしない」などの掲示の事です。大抵の学校は「みんななかよく」「礼儀ただしく」なんていう抽象的なお話になるんですが、自分は小学生にこんな抽象的なことを掲示してもあまり効果はないと思っています。それよりも具体的に「どういうときにどうする」というものの方が効果があるでしょう。これがちゃんと掲示されていたのが城山小でした。そして、実際に生徒の授業中の姿勢をみても、それなりの人数がいるにも関わらず、きちんと授業を私語無く聞いているんですね。補習中、勝手に立って歩く子はいません。ちゃんと先生の指示に従っているんですね。

 最近、落ち着きのない子が増えてきているという話を聞きますが、それは、きちんとした約束事があるにも関わらず、周りの大人が「これくらいはしょうがないか」と妥協するところから生まれるような気がします。「最近の子供達は・・・」と考える前に、まず、約束事を徹底させるにはどうしたらいいか、そして、そこからはみ出ていった子に対してどのように対応するか、の手順がしっかりとられているかどうか、が問題ではないのか、と思います。


 そして、生徒の「意欲づけ」という部分の掲示です。努力目標カードがあったり、家庭学習をやってきた分シールを貼ってもらえるようになっていたり、と、それがしっかり継続されているかどうか、という点と合わせて大切になると思います。この辺は、各先生が工夫をしていました。中央小では「詩の暗唱」が行われているようで、金子みすゞさんなどの詩が何編か、教室内に貼られていて、その暗唱が出来た子はシールがもらえる、というシステムになっていました。


 掲示の最後は、こういった掲示が見やすく、きちんと貼られているかどうかです。  これに関しては、今回、見学した学校は、どの学校もしっかり行われていました。昨年、見学したところでは、洗濯物を干すようにダラ〜ンとたれ下げて掲示していたところや、破けているのに放ったままになっていたりと、非常に見苦しい学校がありましたが、今年は、そういう事はありませんでした。

 また、城山小では、掲示物のタイトルをきちんと付けていて、こういう掲示の仕方であれば、どこに何が掲示されているか、新しく掲示された物は何か、ということが認識しやすいでしょうね。

 さて、ここではまず、教室掲示だけを取り上げてみましたが、皆さんの子供さんが通っている学校ではどうですか?


<教務内容について>

 ここでは、補習でやっている勉強内容についてです。


 まず、最初は、教材の準備状況です。

 で、いきなり最初に言っておきますが「生徒にやらせるものが無くなってしまった」というのは最低だと思いますよ。というのは、1日1時間半の勉強時間で、それが3日間だとしますね。そうしたら、子供達がどのくらいの量をこなせるかは、自動的に分かるのが普通じゃないでしょうか。それが出来ていないということになると「教材を準備するのが面倒くさいから、このくらいでいいかと考えた」か「子供達の学力レベルを全く把握せずに日頃の授業を行っている」ということの2つの状況しか考えられません。どっちもまずいですよね。ましてや、今年は2年目なんですから、それでもきちんと出来ないというのは情けないですよね。

 もう一点は「宿題を持ってきてやってもいい」という前提で準備しているところがあるのではないか、ということです。宿題の目的には「家庭学習習慣をつける」というものがあるのですが、これだと台無しですよ。で、もしも、宿題をきちんと出来るように、と考えているのなら、宿題のプリントと全く同じ形式で数値だけ変えた計算練習プリントを用意しておいて、それをやらせるんですね。そして、家でもそれと同様の方法で出来るというようにするんです。もちろん、漢字を調べるなんていうのは、家で出来る範囲のものですから、学校でやらせる必要は全く無いわけで、そういう事をやらせるくらいなら、算数の文章問題を一つでも多くできるようにしてあげる方が、ずっといいでしょう。


 次に実際の授業内容ですが、1学期の復習と称して、1学期中に習った内容のプリントを用意して、それをやらせるという形式の補習が多く、昨年見学に行ったところは、ほとんどがこの方式でした。でも、これって、大学生が初めて家庭教師のアルバイトをするときにやるようなレベル。要するにアマチュアレベルですよ。


 で、ここから脱却したレベルでの授業を少し紹介しておきますね。  まず、愛国小の一部の学年では、授業を実際に行っていました。簡単に言うと、そんな「1学期の復習プリントをやらせたくらいではきちんと出来るようにならない子がいる」ということで、もう一度授業を聞かせて、勉強させるんですね。


 また、昨年見たところでは鳥取小・今年では中央小がそうでしたが、先生が、今までのテストなどで正答率が低かった問題をピックアップして、自作プリントを用意し、それをやらせていました。生徒にしっかりと勉強できるようになって欲しいと思ったら、やっぱりここまで行くでしょう。


 さらに極めつけは城山小で、学力によってクラス分けがされていて、学力の高めの子は自力で難易度の高めの問題にもチャレンジ。学力の低めの子は、担任が担当してリターン学習になっていました。例えば、小学校3年生の例で行くと、学力の低めの子供達にはかけ算の九九の復習をやっているんですね。実際に見学していたときには、6〜8の段の復習をしていましたが、そこで勉強していた子供達は、クラス全体の3分の1〜4分の1程度の人数だったようです。

 で、城山小は放課後の補習なども行っている学校ですが、それでもこれだけ「かけ算の九九」をきちんと2年生で身につけていない子がいるわけですよ。他の学校だと、もっと多いんじゃないでしょうか。


 そして、こういうところまで踏み込まずに単に「1学期の復習」と言われてプリントを渡された学力の低めの子はどういうことになっているかと言うと、プリントが全然出来なくて、「分からないところがある人は手をあげて」と言われているから、手をあげて先生に聞こうと思うんだけど、先生は他の子の対応に追われていてなかなか来てくれない。結果、何もせずにずっと手をあげている時間だけが過ぎていく。  それが繰り返されると、結局、一番補習に来て欲しい子が「手をあげてもちっとも先生が来てくれない」と、だんだん補習に来なくなってしまうという悪循環になってしまうでしょう。実際に、去年見学した鳥取小が、この状況でした。  学校の先生方からも、もともと勉強が嫌いなため「補習に来て欲しい子が来てくれない」と嘆いていましたが、補習に来てくれない原因って、こういうところにもあるんじゃないでしょうか。


 ということで、やっぱり何と言っても「教務内容の充実」が、この補習が生きるかどうか、の大きな差になっていくと思います。この教務内容をどこまで進化させるか、が今後の補習のカギになっていくようですね。


<姿勢について>

 今回は、補習見学の感想の最後、姿勢についてです。


 まず最初は「鉛筆の持ち方」。

 これについては、城山小の4年生のクラスでの出来事を記しておきます。  城山小の4年生では、学力の高めの子と学力が低めの子が、1つの教室で勉強していたのですが、そのときに「鉛筆の持ち方」を比較してみると、学力が高めのグループではほとんどがきちんとした鉛筆の持ち方をしていたのですが、学力が低めのグループではほぼ全員が「親指が反ってしまう持ち方(親指の根元で鉛筆を挟んで固定し、その後で人差し指と中指を鉛筆の先に添える持ち方)」をしていました。で、他の学校でも、学力の低いグループになればなるほど、鉛筆の持ち方の悪い子が増えるんですね。  また、当然と言えば当然なのかも知れませんが、授業中、体がふらついたり、落ち着かなかったりする子も、学力が低い方のグループで増えます。


 で、これは去年との比較なのですが、校長先生の身だしなみがだらしなく見えたり、学校の先生のスタイルがジャージ姿や生徒と同じような格好をしている学校は生徒の姿勢が悪く、先生がきちんとしたスタイルでいる学校は、生徒の姿勢もいいような気がします。その中でも影響が大きいのは、校長・教頭の身だしなみじゃないでしょうか。  中央小の校長先生は、軽装ではあっても、ちゃんと清潔感のある身だしなみで、ラジオ体操などでも、参加率非常に高いという事でしたが、地域との信頼関係を保つためには、やはり社会人として普通のスタイルというのが望ましいのでしょう。ボサボサで櫛も通していないような髪型の校長先生の学校は、子供達はグダグダだし、遅刻も平気だし、これは「ダメだな」と思いました。


 そして、釧路の学校の弱いところは、きっとこういう「姿勢」に関する部分ではないか、と思います。自分は北見にいたことがあるのですが、そのときは、生徒の中で変な鉛筆の持ち方をしている子は、本当に少数で、そういう持ち方をしている子は、かなり目立つんですね。ところが、釧路は変な持ち方をしている方が多数派。たぶん、この内容を見て自分の子供さんの鉛筆の持ち方を確認する方もいらっしゃるのではないかと思いますが、半分以上が「あ、うちの子、変だ」と思うと思います。 で、子供達の姿勢をきちんとしようと思うのなら、まず、先生の姿勢がきちんとしなければならないですよね。そして、先生がきちんとしようと思うなら、身だしなみだけではなく、生徒対応もきちんとしなければなりません。例えば、宿題の出し方についても「あるクラスは毎回宿題が出るのに、他のクラスは宿題が全然出ない」なんていうことがあっては、不信感を招くだけ。この点、今回、おじゃました愛国小、そして、以前おじゃました光陽小は、学年で宿題の出し方を揃える方向で動き出しました。 こういった流れが、釧路全体に広まってくれればいいな、と思っています。

閲覧数:7回0件のコメント

最新記事

すべて表示

不要な「消しゴム」の使い方に注意

授業中、消しゴムを使いすぎる子が目につくことがあります。そして、そういう子は概して学力が高くありません。そのため、この「消しゴムの使い方」に対していろいろコメントしている先生もいますが、本来、問われなければならないのは「使い方」それ自体ではなく「なぜ、そういう消しゴムの使い...

「勉強」とは、そもそも何をすること?

「勉強」とは、簡単に言うと 「知識を身につける」と 「今まで出来なかった物を出来るようにする」という行為。  だから、これに反する事をしていると学力は伸びませんよね。  例えば、他人の宿題の答えを写してお終いにしていたり、黒板に書いている字をただ写しているだけで、...

作業効率を上げる

計算などの「解き方が決まっていて、それにしたがって手順を踏めば答えが出てくる」といった内容や社会の一問一答形式の「単純に覚えたものを答える」という内容のものは、正確に速く解いていくことが一つの目標になると思います。したがって、目標となるのは「速い」ことと「正確」なこと。...

Komentarze


記事: Blog2_Post
bottom of page