今回も2013年に書いた内容です。
この記事を書く少し前までは、小学校でも「家庭学習」として「好きなことをやっておいで」というのが一般的な家庭学習の状況で、宿題らしい宿題はほとんど出ていなかった状況です。授業の状況も酷くて、上・下に分かれている算数の教科書では、2学期がもう終わりそうという時点でも「上」の教科書をやっていた学校がありました。当然「下」の教科書は慌てて進めて、とりあえずお終い、としていたため、小学校2年生の「下」の教科書に載っていた「かけ算の九九」がしっかり身につかないまま3年生に進級していた有様。
それが、基礎学力保障条例が出来、小学校などでも、ようやく宿題を出し始めた時期に、この内容を書いています。
この当時は、まだ、学校でも宿題の内容を手探りしていた状況で「宿題を出すようになったのは進歩している」とした半面、その内容については「まだ、大雑把だったり、授業との連動がしっかりしていない」時期でした。
現在では、小学校の宿題は、割としっかりしてきていると思いますし、それは、釧路で行われている学力調査などでも、全道平均を超えてきているところが多くなってきていますから、数値でも裏付けられていると考えた方がいいでしょう。
あとは、子供さんが、学校の宿題をきちんとやっているかどうか、という問題です。もちろん、宿題が適当になっている学校には、先生と相談した方がいいと思います。
<家庭学習の効用>
塾あたりだと、毎回、宿題が出るのが当たり前になっていると思いますが、その宿題の内容を見てみると、テスト前あたりでは「テスト対策用」の、試験範囲全体の復習内容となっているはず。そして、それ以外の「普段の授業」の場合は、その日に習ったところの復習や、次回習うところに関係した部分の復習であったりします。要するに、現在、行っている授業と関連があるのが、普通ですよね。
そして、例えば、算数・数学のような積み重ね科目で考えた場合、その日の授業でAという内容を習って、次の授業で、Aの内容を利用してBという新たな内容を習うとすると、Aという内容がしっかり身についていないとBの内容が身につかなかったり、理解出来なかったりします。子供さんの負担として考えてみても、Aという内容が事前にしっかり身についていなければ、次の授業ではAもBも両方身につけなければならず、さらに、そこでもサボったら、その次の授業ではAとB、そして、新たに出てくるCの内容も身につけていかなければなりません。こうなると、多分、お手上げでしょうね。
ですから、Aという内容を習ったときに、Aの内容を身につけられるように、もしくは、次回の授業で簡単に復習するだけで、すぐに内容を思い出して、Bの説明にちゃんとついていけるようにするのが、通常の宿題の効用、と考えていけばいいのです。そして、勉強の内容を身につける際には、こういった勉強の積み重ねを行えるようにしていくことが非常に大切になるのです。
ただ、釧路の場合、特に数学の学力が低くなっています。その大きな理由は、上記に述べた「次回の授業への連動」というものを計画的に処理出来ていない状況になっていると考えた方がいいんですね。
そこで、お父さん・お母さんからよく聞くお話として「やる気がなかったら身につかない」というものがあるのですが、この感覚は考え直してください。 「やる気がないんだったら、身につかないからやらせてもしょうがない」ではなく、 「やる気があろうが、なかろうが、やらなければならないものは、机にしがみついてでもやってもらう」が正解。
なぜかというと、上記のように、やらなければならないタイミングできちんとやっておかないと、その後の負担がかえって大きくなってしまったり、本来、身につけなければならないものが出来ないままだったりするからです。
最近では、右と左の区別が出来ず、指示通りの事が出来ない子がいる、というような報告まであります。これも、小学校1・2年生の学校の勉強などを「出来るようになるまで、しっかり取り組む」という事が行われていれば、家庭で宿題をやっている際にお父さん・お母さんがどこかで気づいて、直すことが出来たはずなんです。
そういう右左の区別のような「誰もが当たり前に出来るはず」の事ができずに放ったままになっていて、いざ就職となったときに、学生時代は「部活を一生懸命やっていました」と言ったところで、「こいつ、本当に部活がきちんとできていたのか?」という話になってしまいます。
冗談ではなく、これが現実ですから、少し勉強がまともに出来るように思うから大丈夫、と思わず、少なくても「就学前に身についているはず」と思われるような事が身についていないという事が無いように、念のため、確認してみてください。
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