これも2014年に書いた内容です。ちょっと意味不明なところが出てきますが、実は、ある学校の話で、そこに通っていた人には何のことなのかが分かるように書いています。
ただ、全体的に、こういう傾向があるのは事実ですから、それを踏まえて読んでください。
<下に外れる子、上に外れる子>
どんなに一生懸命指導したところで、なかなか直らない、という子が存在します。何度注意されても宿題をやらない、私語はいけません、と言われているのになかなかやめない、こんなタイプの子は「必ず」と言っていいくらい存在します。そして、例えば、40人のクラスであれば、以前は、こういう子は2〜3人くらいでしょうか、そのくらいの割合で存在していました。先生が必死になって指導しても、どうしても直らない子〜状況として「下に外れている子」です。
ところが、最近は、こういう子の割合が増えてきているんでしょう。宿題をきちんとやってくる、という子自体、減ってきていて、おそらく、酷いところだと、半数以上がこの状態なのではないでしょうか。ただ、大抵は「小学校のときのしつけ」が大きな原因だと思います。小学校のときに「家で好きな事をやっておいで」で過ごして来た子に、ここまできちんとやりなさい、と言ってもなかなか出来るようにならないでしょう。当然、中学校に入って、急に「ここからここまで、家できちんとやってきなさい」と言ったところで、本人はアップアップしてしまうんでしょうね。 ですから、学校でもきちんと宿題の提出率をきちんと把握し、その提出率を100%に近づける努力をしなければならないだろうと思います。そこまできちんとやらないと、本当に「下に外れる子」の状況を理解できないからです。
さて、それとは逆に、学校でいくら雑な授業をしていても、自分から勝手にどんどん勉強してしまう〜もしくは、塾などに通って、しっかりしたものを身につけてくる子もいます。こういう子も、下に外れている子と同様に「先生の指導が届いていない」と判断するべきで、こういう子は「上に外れている子」と考えてください。
そして、ここからがちょっと恐ろしい事なんですが、教育大では、この「上に外れている子」を想定して授業を展開していこうとしています。それが「反転学習」というやつです。要するに「先生は教えず、生徒が自分で勉強を進める」というスタイルなんです。これだと「下に外れている子」どころか「普通にしている子」もまともに出来るようにはなりません。「上に外れている子」でなければ学力はつきません。
今までも、箸にも棒にもかからないような授業〜例えば、行き当たりばったりで授業を進め、結局、進度が追いつかないと「後は自分で家でやって来い」式の授業〜を行っていても、塾などで自分でしっかり勉強して、きちんと進学校に合格していった子がいたわけです。そして、その子の状況を見て教授は「家庭環境が良かった」と判断を下し、自分たちの指導の行き届かなかった子であるにも関わらず、そういう子を育てよう、ということになるんです。だから、家庭環境を良くするという名目で「職業体験は各家庭で探してください」という、世間の感覚からずれたことをやり出すわけです。ハッキリ言って、自分たちが授業をしようがしまいが、勝手に学力をつけていく子ばかりなら、その方が教師としても楽ですから、そんなところばかり見るようになってしまっているんですね。
正直に言うと、子供達を教える、という場合も限界があって、その教員のキャパシティからずれてしまう子というのは、必ず出て来るんです。となれば、一番最初に考えなければならないのは「まず、自分の指導力の及ぶ範囲の子をしっかり育てて行こう」というのが当たり前ですよね。それを自分の指導力から外れている子を想定して授業を展開しようなんていうのは、論外なんです。自分の指導力から外れてしまっている子へは、せいぜい、いろいろな面で意識付けを行うくらいしか出来ないんです。そうやっていく中で、少しずつ、自分の授業力を上げ、キャパシティを広げていくしかないんです。
何かの機会に、大学教授や教師から「教師がほとんど物を言わず、生徒が学力をつけています」という内容の発言があったら、これは「反転学習をやろうとしているんだな」と思っていて構いません。そして、こういう事を野放しにしていたら、結局、被害者は「子供達」ということになります。気をつけてください。
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