<お父さん・お母さんが教えるときの失敗>
お父さん・お母さんから、子供さんの勉強を教える際、よく出てくる話が「私が教えると親子喧嘩になってしまうんですよね〜」というもの。これ、ちゃんとした原因があるんです。
最も一般的な喧嘩要因は「お父さん、お母さんが学校で習ったことをそのまま子供さんに押しつける」というパターン。それで、子供さんが出来てくれればいいんですが、一旦「分からない」となってしまうと「何で、これで分からないの?」となってしまうんですね。そこから喧嘩。これを聞いて「あ、うちの事だ」と思った方、いませんか?
これ、学校の先生でもよくある話なんですが、特に小学校では「こうやって教えたら分かりやすい」と考えて、一生懸命教材作りをするんですね。ところが、それで教えて「分からない」という子が出てきたときに、その対応力が無かったりするんです。結果、自分の教え方を押しつけて「一方通行」ですから、分からない子は分からないままで、こうなると、お父さん・お母さんが教えているのとあまり変わりませんね。せいぜい、先生が教えると、とりあえず、喧嘩にならないっていう程度ではないでしょうか。
ここで大切になるのは、子供さんが「分からない」となったときに「どこで躓いているのか」をサッと捉え「今教えた方法とは違う別の方法を瞬時に提示できるかどうか」なんです。
ここからは、プロの方法になってしまうのですが、あらかじめ子供さんが間違いやすい所を想定しておいて、最初の説明の段階から、そこで躓かないように話を進めるんです。ですから、今教えている内容を身につけるために必要な知識や理解が伴っているかどうかを確認するために、前に習ったところの復習内容を入れてみたり、分からなくならないように、幅広く網を張って、一つ一つ丁寧に話を進めたりするんですね。
ただ「こういう方法を身につけてください」と言ったところで、やはりそれは難しいと思います。
それで、今後、子供さんを教えるときに気をつけなければならない所を一点だけ、お話しておきます。
「ここで間違えないように!」とか「こうやったらダメだよ」というふうに「間違いの方を強調しないこと」。どうしてかというと、間違いの方を強調してしまうと、そちらの方が印象に残ってしまうため、正しい方法が身につかなくなるんです。ですから、もしも、子供さんが間違えたとしても、いちいち咎めずに「そこは違うよ」と言って「正しい方法だけをきちんと見せること」。間違えた分だけ、根気よく、何度も繰り返してあげてください。
そして、同じ所を何度も間違うようであれば、出来ないのは、何か他の原因があると考えてください。原因が分からないなら、そこで、一旦保留して、別の内容を進めること。余計に追及すると教える側も教えられる側もフラストレーションが溜まりますから、そういう事はしない。原因が分かれば、そこを教えてあげる、ということを繰り返して行ってください。そうすれば、喧嘩を避けながら、子供さんも少しずつ、勉強が出来るようになっていきます。
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