大学教授のコメントは、こういうものでした
- markun5
- 2021年8月10日
- 読了時間: 4分
これも、2012年の内容です。
実は、このとき釧路新聞に、自分たちが運営していた「教育活性化会議」という団体があって、そこで、学校で行われていて進路指導にも使われる「中3 総合A学力テスト」の各学校の平均点を、学校名入りで公表したものが釧路新聞にそのまま転載されたんです。それについての大学教授のコメントなんですね。
また、本文中に出てきている「トンネル事故」というのは、まだ、記憶ある方もいらっしゃると思うのですが「笹子トンネルの落盤事故」のことです。
(詳しく知りたい方はこちら↓)
<果たして、コメントとしてふさわしいか>
北海道新聞12月3日、釧路教育大 広田教授
「テストの点数を上げる反復学習だけになりかねない」 釧路新聞 12月1日 釧路教育大 玉井教授
「学力テスト結果を公開すると、さらに学力が低下するおそれがある」 北海道新聞11月3日 釧路教育大 今泉教授
「学力テスト公開を行うと保護者と教員が敵対的な関係になるおそれがある」
どうやら、釧路教育大の教授は学力テストの結果公開については反対意見ばかりのようですが、賛成している教授っていないんでしょうか? どうなんでしょうね? そして、このコメント、自分は、何となく違和感を感じるのですが、皆さんは、どう思いますか?
で、自分はどこに違和感を感じるか、というと、実はみんな「〜するおそれがある」「〜なりかねない」という語尾で、自分の感覚では「非常に根拠の薄い憶測」を語っているとしか考えられないんですね。
これを他の大学教授のテレビでのコメントと比較してみると、自然科学か社会科学かで違いはあっても、何かの事故が起きて(今回のトンネル事故などもそうですが)、その原因を考察する場合、教授は過去の事例や資料を当たって、その中で非常に可能性の高い部分をまず示唆するんですね。そして、今後の展開を述べるときも、その中で可能性の高い部分を予測するんです。これが当たり前なんですね。
そして、実際に学力テストの公開を行っている学校や自治体もそれなりにあるんです。東京もいくつかの区は公表していますし、秋田県でも市町村ごとの正答率は公開しています。それも今年始めたばかりではなく、それなりに年数が経っていて、そこでどういう事が起きているかの結果も出ているんですね。そして、その部分の考察をすると、たぶん、このコメントは出てこないと思います。
また、全国学力テストの情報公開により、秋田県がクローズアップされることになりましたが、この結果、各自治体が秋田県の状況の視察に行き、良い物を取り入れようという動きも出てきているんです。こんなこと、データの公開がなければあり得ませんでした。 また、12月4日火曜日のエフエムくしろでは、PTAの方で実際に活動を行った例が語られていましたが、それも、補習授業の際、小学校3年生で1桁の足し算が出来ない子がいた、という情報を掴んだPTA会長が自ら動いた結果であって、それが分からなければ、地域の協力という動きは出てこなかったはずなんです。
そして、これが一番大きな動きに関連するところなのですが、実は、学力テストの情報公開があったと新聞に載っていたところで、学校の教員は新聞自体をあまり読んでいないらしく、情報公開されたということをほとんど知らないのだそうです。ある教員が周りの教員に聞いたところ、10人に聞いて10人とも知らなかったんだそうです。また、昨日の釧路市議会で学力保障条例の議論がされた際、共産党の梅津議員のお話にもありましたが、教員自体、この条例について知っている人が少ないんだそうです。ですから、今の段階では、まだまだ「大勢に影響はない」という事にしかならないんですね。可能性が高い部分と言うと、ここになるんです。
それから、以前にも書きましたが、過度な競争についても、起こしているのは教員です。今回の全国学力テストが行われるようになってから、足立区で学力が低めの生徒を休ませたという事例があったそうですが、これも教員が起こしたことですよね。ですから、これは、学力テスト結果公開の問題ではなく、教員の資質の問題で、大学教授であれば「こういった教員を出さないために、学生の資質向上に取り組みます」とコメントするのが普通ではないかと思います。
残念なことに、これらの教授のコメントは、教員組合の教条の範疇から出ておりません。きちんとした話をする場合、自分のコメントには必ず根拠を言うはずですが、ここではその根拠がないんです。ですから、こういった納得できる根拠のない話が出てきた場合、組合に迎合し、その場で根拠の薄いコメントを述べただけと判断していきましょう。実際に学力テストの情報公開が行われて1ヶ月が経ちますが「教員と保護者の敵対関係」が起きたなんていう情報は入ってきておりません。
で、こういう根拠の薄い憶測であれば、正直、町中を歩いているおじさんに聞いたコメントと対して変わりはないわけですから、あえて、教授に聞く必要もないでしょう。ですから「マスコミは、まぜ大学教授にコメントを求めに来るのか」という事を、まず教授自身がよくわきまえ、しっかりしたコメントを出して頂きたいものです。
Comments