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国語の勉強〜場面と指示語

国語の勉強〜場面と指示語

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 これも2013年に書いた内容です。

 単純に「語彙力」と言っても、単純に漢字練習などで言葉だけを勉強するのではなく、文章の流れの中で理解していくというステップにうつります。


<文章の流れの中での語彙力>

 今まで漢字や慣用句などに代表される「語彙力」について述べてきましたが、正直に言って、それだけでは国語力はつきません。となると、当然、次のステップがある訳で、その第一ステップが「場面の読み取り」と「指示語」という事になります。


 「場面の読み取り」というのは、小説などで一番基本となるところです。

「登場人物は何人ですか?」

「時間帯はいつですか?」

「場所はどこですか?」というもの。

 小学校の低学年〜中学年くらいの問題集、場合によっては中1くらいの問題集にも出題はあるのですが、このレベルだと基本過ぎて入試ではあまり見かけません。ただ、実際に小学校のテキストをやらせてみると、中3の子でも、この辺があいまいで、文章を読んでいても状況が全くつかめていない場合があります。

 実は、自分は以前から「朝読書」に対して批判的なのですが、その一番の理由がこの点です。今、場面に登場しているのは何人いるのか、主人公の名前は何というのか、ということすら分からずに本を読んでいる子って、いったい、どんな読書をしているのか? と思ってしまいます。

 特に、この点に関しては、場面の切り替わっているところが来ているのに、それを読み飛ばしてしまっていて状況がつかめなくなるというパターンが多いですから、頭が働かない状況で読書をしているような場合、注意をしてあげなければならないでしょう。一番の改善方法は、やはり、国語の問題集などをこなすことによって「どこに注意して読まなければならないか」を認識して読めるようにしておくことでしょう。


 もう一つの「指示語」というのは、基本的に「論説文」で多用されることが多く、いわゆる「これ、の差す内容を書きなさい」とか「この点、とはどの点を差しますか」という問題に当たるところで、これは直接入試にも出題されます。ところが、この「指示語」の指定している部分を誤って読んでしまうと、文章の内容が把握できません。

 で、この指示語が出来ない原因として挙げられるのが、冒頭で書いた「語彙力」と、そして「関連知識」なのです。

 基本的に指示語の問題というのは、文章が理解出来ている場合、ほとんど間違える事はありません。ところが、これが出来ていないということになると、一番可能性の高い原因が「漢字の熟語などの意味が分からず、内容が全く把握出来ていない」か「文章に関連する基本知識が乏しく、どこに関連づけた内容の話になっているのか理解出来ない」という場合が多いと考えましょう。

 後者については、ちょっと状況が分かりづらいと思いますので、例を挙げておくと「地球温暖化と酸性雨についての文章」が出てきたときに「温暖化」と「酸性雨」の知識があれば、どちらの内容を差しているかが分かるため、指示語の問題にも比較的容易に答えられます。ですが「温暖化」や「酸性雨」の知識が全くないため、何となく文章を読んでいるだけでは、どちらの内容の事を言っているのか見当がつかない、という類のもの、と考えてもらえればいいでしょう。


 これがさらに発展すると、大学入試用の国語の問題集などで一番最初に出てくると言っても過言ではない、その用語に「形而上学」なんていう言葉があります。いわゆる「哲学」ですよね。

 結局、哲学を知らないと、筆者の言いたいことがハッキリ理解できないということになるため、一番最初に出てくる内容、ということになります。もちろん、単語だけを断片的に覚えておくというのは、入試のための「付け焼刃」のようなもので、本来であれば、哲学の本を読んでおいて、内容を把握しておくことの方が望ましいですね。


 ということで、以前にもお話ししましたが、実は、読書というのは「過去の自分との対話」なのです。自分が今までに身につけてきた知識や経験と照らし合わせて理解していくものなのです。ですから、漢字の勉強しかり、社会や理科の知識しかり、学校の勉強、家庭での会話、一般常識、こういったものがすべて集約されて、読書が成り立っていると考えてくれるといいでしょう。

 ですから、基礎学力・基礎知識を棚上げして、単に読書だけですべてを賄おうとしても無理があるのです。日頃の生活がすべて読書につながると考えて、新聞を見たり、ニュースを見たり、図鑑や事典を見たり、こういう事を行って、読書の幅を広げられるようにしておくことが重要、と考えてください。


 そして、実際に国語の問題集をやらせて、答えられなかったところは「文章の流れの中で出てきた言葉が、内容としっかり結びつかないときに起きる」と考えていてください。そのときには、文章の中で「分からなかった言葉」や「意味を取り違えている言葉」が必ずありますから、そこをお父さん・お母さんが説明して直してあげることが重要です。

 朝読書が効果が無いのも、この部分が欠落しているから、と考えてください。

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