top of page
  • markun5

中途半端な生徒

 これも2016年に書いた内容です。

 自分が釧路に転勤できたときには、圧倒的に宿題をやらない生徒が多くいました。それが少し改善されて「とりあえずやるようにはなったけれども・・・」という内容になっています。


<宿題が中途半端だと・・・>

 これ、実は自分が釧路に来て、初めて経験したことなんですが、今では少し減ってきたとは言え、まだまだ根強く残っているのも事実。それで、どういうことかと言うと、こんな感じです。


 例えばテキスト4ページの宿題を出したとしますよね。そうすると半分の2ページだけやって、残りの2ページは「出来ませんでした」となります。それで、全部出来るように、とテキスト2ページにすると、今度は1ページだけやって、あとは「出来ませんでした」となります。ところが6ページの宿題になると、3ページでお終い。10ページにすると、5ページだけやってお終い。  おいおい、5ページ出来るなら、最初に4ページ出したときは、全部出来たんじゃないのか? という話ですよね。  要するに、宿題が何ページであろうと、必ず、その半分しかやらなんです。変だと思いませんか?


 例として挙げたので、分かりやすいように、ちょうど半分として話を書きましたが、量がどうであろうと「あと、もうちょっとやれば全部終わるのに、どうして最後までやらないの?」というような「必ず、最後を少し残す子」なんていうのもいます。要するに、必ず中途半端にするんです。


 これが例えば、自分が北見にいた頃は、基本は全部やってくる。何か事情があって〜風邪で熱を出して寝込んだとか〜出来なかったときには、その理由をきちんと告げる、というのが当たり前でしたから、何で釧路って、こんな変な事をやる子が多いんだろうと思ったんです。


 それで、自分は思うんですが、どうやら、小学校あたりで、宿題をやらなかった場合、常に「半分くらいやっておけば許してもらえる」という経験をする子が多いからではないか、と思っているんですよ。  というのは、北見にいた頃は、4ページの宿題があって、2ページしかやって来ないと「2ページ分は宿題忘れ」で居残りになるんです。ところが、釧路は4ページ宿題があっても2ページやってあれば、すべて許されているんじゃないか、と思うんですね。だから、子供達も「半分やっておけば許される」という感覚が根付いてしまい、結果、常に中途半端なのではないか、ということなんです。  要するに「学校の生徒対応が雑」なのではないか、ということなんです。


 それともう一つ。これも釧路特有なのですが、ちょっと宿題が出ると、途端に親が「宿題が多い」と騒ぎ立てる風潮があるんです。「野球があって出来ない」「サッカーがあって出来ない」「ホッケーがあって出来ない」・・・親が積極的に「宿題をやらなくていい」と騒ぎ立てるんです。だから、子供達は「とりあえず、ちょっとだけやっておけば、親が許してくれる」という感覚でいるんです。  これが他地域なら「宿題すら満足に出来ないなら、野球もサッカーもホッケーも辞めてしまえ!」ですからね。


 さて、これが大人になって、どう影響するかということを考えてみますが、これは単純です。「仕事を中途半端にしかしない子」が大量に出回るんですよ。親の感覚は「野球・サッカー・ホッケーをきちんとやってきたんだから、仕事もきちんとやるはず」と思っていると思いますが、大きな間違いですよ。「遊ぶ方〜もしくは、自分が面白いと思ったことだけ〜に積極的なだけ」と思っていてください。まじめに物事をこなす子は「宿題をきちんとやる方の子」です。「部活・少年団だけ一生懸命やっている子」ではありませんよ。


 ですから、物事を中途半端にしない子にしたいなら、学校の勉強の方を中途半端にしないようにさせなければならないんです。特に、今、生徒対応をきちんと考えなければならないのは学校の方。まず、学校がきちんとして、その「きちんとした姿勢」を親に伝えて行かなければ、地域は変わっていかないでしょう。

閲覧数:8回0件のコメント

最新記事

すべて表示

説明は一気に最後まで

子供にキチンと話を聞かせられるようになったら、次のステップは「よどみなく最後まで説明しきってしまう」こと。 例えば、お母さん方でも、経験があると思いますが、誰かと真剣に話をしていたとき、ちょっと電話が入ったのでそちらに出てから、もう一度、さっきの続きを・・・と思ったとたん、「どこまで、話しましたっけ?」と言いだし、結局、その後は、あまり話しに乗り気にならず、白けた感じで終わってしまったこと、ありま

計算は「正確に、速く」

計算は「速く正確に」と言う言葉をよく聞かされていたと思いますが、これは、非常に重要です。現在の子供たちは、「思考力を強化」などと言われ、時間に余裕を持たせられる事が多いせいか、計算のスピードが非常に遅くなってきています。 ところが、こういった単純作業のスピードアップはとても大切なことで、天才と言われた野口英世やアインシュタインなども、実験や計算のような作業の速さと正確さは、他の追随を許さなかったと

子供の雰囲気に左右されない

若手の先生にありがち(中にはベテランでも?)だと思うのですが、生徒が割と積極的で一生懸命やっているクラスでは「調子よく授業が出来る」けど、生徒が乗り気にならないクラスでは「授業があんまりパッとしない」ということになる傾向にあると思います。これは、裏を返せば単純に「子供の雰囲気に流されている」状況であると判断しましょう。 これが指導力がしっかりしている先生になると、生徒の状況に関わらず「きっちりした

記事: Blog2_Post
bottom of page