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フィンランドの教育の内情ってこんなもんさ

 これも2013年に書いた内容です。

 当時、学力調査で上位にきているフィンランドの教育が取りざたされていましたが、自分の方でいろいろ調べてみると、内情は日頃、聞いている「楽をしていい思いが出来る」という内容とはかなり異なっているようですね。


<「OECDの学力調査」の道新の見出しに、ガッカリ>

 12月3日に2012年度に行ったOECDの学力調査の結果が発表された。日本は前回より順位を上げ、学力は回復傾向にある。(北海道新聞より)

 ということなんだけど、北海道新聞の見出しを見て、さすがにガッカリ。31面に「楽しく学べる学習環境を」だって。

 あのね、このテストを受けている子って、高校生。小学生じゃないんだって言うの。おまけに、上位の国や地域で「楽しく勉強してます」っていうところ、どこさ? 将来を見据えて、上位校に進学するための受験が厳しいところばかりでしょ。おまけに「欧米に学べ」って、日本より治安も経済も悪いところに何を学べっていうの。日本をPIGSにしたいんだろうか。


 また、ここに出てくる大学教授で、フィンランドについて語っているのがいるけど、フィンランドの教育、分かってるんだろうか。おいらが調べた限り、フィンランドの「宿題が少ない」っていうのは、半分、嘘だぞ。


 フィンランドでは、その日の学習内容をその日のうちにしっかり身につけるという事が前提で、学校で勉強した内容を「学校で全部処理出来る子」は宿題が無いけど「処理できなかった子」は全部家に持ってかえって、家の人が必死に教えなきゃならないんだっていうの。

 それで、フィンランドでは一般的に、子供の勉強を見るのはお父さんの役目で、お父さんが仕事から帰ってきてから、子供につきっきりで勉強を教えるのさ。それもすぐに終わればいいけど、子供によっては夜の8時・9時まで毎日勉強しなきゃならないの。

 だから、以前の調査結果では、フィンランドの子供たちの勉強嫌いの割合が世界トップクラスだったでしょ。

 おまけに「学校に遅刻する」や「学校をサボる」子の割合も世界トップクラス。それを隠して「学習時間も少なく、宿題も少なく」だって、バカじゃないの。「たいした努力もせず、成果がトップクラス」なんて思っているのは「努力をせずにいい思いをしたい」っていう都合のいいことばかり考えているやつか「フィンランド式」って名前をつけて、子供たちを預かって金を稼ごうと考えているやつの話なのさ。そもそも、そんな虫の良い話があるわけない、と眉唾で聞いておくのが普通だっていうの。


 そして、実際、学校だけで勉強を済まして家で目一杯遊んでいるっていう、それなりの能力のある上位者は、小・中学校で勉強習慣がついていないもんだから、高校・大学に行ってから大変な思いをして、結局中途半端な状況になっているのさ。

 フィンランドでは、大学の研究レベルが上がって行かないなどの問題が浮き彫りになっていて、この「上位者の育成」が大きな課題となっているんだぜ。

 冗談じゃない、こんなところの真似をして、何か、良いことあるか? ちなみに、若者の就職状況は、年々、悪化しているという話だぜ。


 もっと言うと、フィンランドでは、入学時点で子供が「学校の指導に馴染まない」と判断されたら「入学を一年遅らせましょう」という話になるんだっていうの。

 だって、無理矢理入学させたところで、親が毎日勉強を見てあげなければならないから、そうなると、親も子供も大変でしょうに。だから、ある程度、ちゃんと先生の話を聞けるような子でないと、親と各家庭についている教育担当者が協議をして「入学させるか、遅らせるかどうか」という話になってしまうわけ。きちんと勉強について行けないと思われる子を、こうして対応しているんだもの、平均が高くなって当たり前でしょうに。どこを見て話をしているんだ、この教授。  道新もさ、こんなおかしな教授のコメントを取ってくるな、って。


 フィンランドの良いところと言うと、それは、学校側の「学んだ、その日のうちに、しっかり学習内容を身につける」という意識と「読書を子供達にしっかりさせる」という教員の本に対する研究姿勢。

 それともう一つ、学習障害者や特別支援が必要な子に対するシステムの充実。

 日本が学ぶのは、この点だって。

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