これも、2020年に「今まで書いてきたことをまとめる」という形式で書いたものです。
<テストの時間と難易度>
「テストで点数を取れるようにする」という視点で見た場合、大事な点は2点になります。
一つは、制限時間内で仕上げるようにする「時間感覚」。
もう一つは、問題の難易度に対する「難易度感覚」です。
そこで、それに合わせた勉強法を考えてみると、よく、テストの過去問題を見て、そのテストの難易度に合わせて勉強を進めようとする人がいるのですが、この方法では確実に受かるレベルには到達しません。せいぜい「ギリギリ」のレベル。
なぜならば、テストは「時間との勝負」でもあるからです。ですから、テストと同レベルの内容の勉強を進めるのであれば、しっかり制限時間を決めて、その中で確実に解けるように練習をしなければならないんですね。「時間に余裕がなければ解けない」では、実際の入試では、時間切れでアウトです。でも、これが難しい。というのは、過去問で本番のテストと同レベルの勉強しかしていない場合、やはり「難しい問題は難しい=できない」で終わってしまうことが多いからです。
ところが、もっと確実に得点を伸ばしている子というのは、テストの難易度に合わせた勉強をしている訳ではありません。実は、そういう子は、日頃、テストよりも一段階から二段階ほど難易度の高い問題に触れていって、実際にテストに出題される問題は「自分の勉強しているレベルで見ると簡単な問題の部類」という感覚で早く正確に解けるようにしているんです。だから、テストの時間内で確実に得点出来るようになっているんですね。
水泳で例えると「25メートルを泳ぐ」という実技試験があった場合「25メートル、ギリギリ泳げるようにする」のではなく「50メートル泳げるように練習しておいて、25メートルを楽に泳げるようにしておく」という感覚に近いでしょうか。もちろん、練習自体は「ギリギリ泳げるようにする」というときよりもずっとハードになりますが、実際の試験では「確実に受かる」という事になります。
特に高校入試になると、やはり確実に受かりたいですよね。それであれば、自分の志望校のレベルよりも、1つ、ないし2つ上の高校に受かるような勉強にすること。もちろん、そういう感覚で勉強を進めると、中で一番難しい問題は解けたり解けなかったりすると思いますが、それでも構いません。志望校はそこまで求めていませんから。ここでは、合格に到達するために必要な内容が「今までよりも易しく楽に解ける」という感覚になっていればオーケーです。
これから、実際に入試の過去問題に触れることも多くなってくると思いますが、そのときの感覚がずれてしまうと、合格が怪しくなってくる可能性があります。ですから、少なくても「少し上を目指す」という感覚だけは、無くさず勉強を進めてください。もちろん、中1・2生が定期テストや学力テストで点数を上げようというときも、考え方は一緒です。
ちなみに、テストで点数をきちんと取らせている塾講師は、テスト直前に「実際のテストよりも一回り難易度の高い練習テスト」をやらせて、本番のテストに向かわせているんです。
きちんと点数を取らせている講師に聞くと、皆、同じ答えを返してきますよ。
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