<似て非なるもの〜第2弾>
前に書いた「思いつくと考える」の続編ですが、単に当てずっぽうであるにも関わらず「どっちを答えに書こうかな〜」と迷っている。こんな事で無駄に時間を使ってしまう子って、結構います。要するに「何か思いつかないかな〜」と、余計な時間を使っているんですね。そして、前に書いたように「思いつく」は「考える」ということではありません。ですから「思いつかないかな〜」と悩んでいるのも、もちろん「考えている」訳ではありません。当たり前ですよね。
そして、問題を解くという場合に限らず、スポーツをする場合などにも適用されることですが、行動に移すまでのプロセスというものが存在します。それは、
1 内容を把握・理解する 2 決断する 3 行動する
の3段階です。
スポーツで当てはめると、例えば野球の盗塁。
1 ピッチャーの投球と自分の足の速さで、成功するかどうか考える
2 するか、やめるか、決断する
3 盗塁する
勉強であれば、問題の文章を読んで状況を判断し、この方法で解いてみよう、と決断し、実際に手を動かして問題を解く、という事になります。数学だと
1 文章を読んで、足し算か引き算か考える
2 足し算に決定
3 式を書いて、計算し、答えを出す
これは別に数学だけではなくて、例えば社会科でも同様です。
となると、この3段階のうち、どこでつまずいているかを考える事で、より能力の高いところに行き着けるようになるわけで、
例えば、問題分に「因果関係に注意して理由を述べよ」という文章が書かれていたとした場合、「因果関係」の意味が分からなければ、結局、何を答えていいか分からない〜すなわち「1の内容を理解・把握すること」が出来なくなるわけです。 そして、ここで分かることは「文章を読み取る知識」「判断をするための知識」がどの場合も必要で、「元々知識がないのに、モタモタ悩んでいても、それは無駄」ということ。
結局、それは「判断材料を持ち合わせていない」という事なんです。
ですから「考えるための知識がない」のに「考える」という行為を求めてもそれは全く意味のないことなんですね。ところが、それを「考えている」と勘違いしている子が非常に多いのです。
そして、この部分もいわゆる「似非問題解決学習」で、判断材料も何もないのに、とにかく考えろと言われてきた事に原因がありそうです。ですから、全く知識もないのにいつまでもダラダラ時間だけかけて、勉強したような気になってしまう。それで「僕、一生懸命勉強しました」と、そういうことになる。でも、実際にいろいろな問題をやらせてみると、全く出来ない。これ、非常にナンセンスです。こんな事に時間をかけて「時間が足りない」と言っている教師にも問題ありですね。
ということで、妙に勉強時間は長いけれども、全然学力がついていないような気がする、という方は、子供さんの勉強内容を確認してみてください。余計な事にダラダラ時間をかけて、それで勉強したような気になっていても、全く効果はありません。そして、一生懸命、思いつきを探して時間をかけているようでは、入試などには全く対応出来ない、という事なんです。
結局、そういった「似非問題解決学習」で力を付ける子供さんというのは、元々塾などに通っていて、問題を解くための知識を持っていたか、読書などによって必要な知識をあらかじめ得ているか、どちらかだと思ってください。
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