<就職試験もこんな感じ>
ここで、ちょっと算数の問題を解いてみてください。
「兄と弟の所持金の比は3:2である。2人とも同じ金額だけ使ったところ、残った所持金の比は9:5になった。使った金額が6000円だとすると、兄弟2人の元の所持金の合計はいくらか?」
実はこの問題、SPIという就職試験の際に出されるレベルの問題です。そして、この就職試験、こういう問題が数多く出題されるので、このレベルの問題を最低でも1〜2分程度で解かなくてはならないんですね。う〜ん、と唸っている暇は無いんです。
何で、こう言うことを書いているかというと、昨日、たまたまニンテンドーDSのソフトで、「SPI問題集」が中古で安く売っていたので、中身はどんな内容なんだろう、と思い、買ってきたんですね。そして、やってみようとソフトを起動したところ、前の持ち主が「達成率2%」で売りに出していたんです。そして、この「達成率2%」を見たとき、自分、いろいろな事を考えました。
「前の持ち主は、こんなソフト簡単すぎるから、もうこれでいいや、と思ったのかな?」 「他の問題集が忙しくて、手が着かなかったのかな?」 「これ、難しすぎて、これ以上手が出なかったのかな?」
それで、これ、釧路で売っていたことを考えると、一番可能性が高いのは、「やってみたけれども、これは、今の自分には、ちょっと手が出ないから、解説がきちんと書いてある本を読んで、もう一度、最初から勉強し直そう」と思ったというのが、正解に近いような感じがしたんですね。
小学校の場合、クラスの中には、当然、算数が不得意な子もいるでしょう。でも、それと同時に、算数が出来て、もっと上のレベルを目指せる子というのもいると思うんです。そして、そういう能力の高い子には、やはり、上を目指して、こういう就職試験などにも対応できるようになって欲しいと思うんです。でも、そういうところを見て授業をしている先生って、どのくらいいるのかな?
「難しめの問題に挑戦しました。みんな一生懸命考えてくれました。楽しく勉強しました」という話でいいのかな、という気がします。こういう授業で、この問題を1〜2分で解けるような感覚になっていくでしょうか? ましてや、扱ってくれるならまだしも、「こんな問題、見たことも聞いたこともない」なっていう事になったら、将来、ちゃんとしたところに就職したい、なんて考えている子がいた場合、ちょっとまずい事になりませんか? それとも、こういうのは、塾や自宅で勝手にやってくれ、ということなんでしょうか?
正直な話、今の段階で、こういう問題に対応してくれている学校、というのは聞いた事がありません。ですから、今の段階では、各家庭で考えていかなければならない内容です。そして、公立の学校じゃ進学就職に不利という風潮をつくったのも、こういうものをきちんと扱わなくなったことに原因があるのではないかと思うんですね。 「考える力がついていれば、こういう問題に対する対応力が以前よりも上がっているはず」なんですが、現実は、そうはなっていないようですね。
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