これも2015年に書いた内容です。
家庭では、どうしても周りとの比較で物事を考えますから、全体的にレベルが低いと、他の地域で普通レベルでも「自分はできる方」と考えてしまいますし、周りと同じくらいのレベルだと「自分はふつう」と考えてしまいますが、他の地域に行くと「低レベルの方」になっていたりします。
そういった意味で「全国学力テスト」の結果というのは、自分の全国レベルの位置を把握するうえで非常に大事なことなんですね。
<家庭の意識の変えどころ>
釧路市の学力テストの結果は、決して良いとは言えない状況です。ただ、未来塾の記事のところで書いたとおり、前進しつつあるのも事実で、例えば、以前は、小学校6年生で、単純なかけ算の倍の文章題の正答率が36.4%(これ、全道平均です。釧路はもっと低いと思われます)しかない」という状況であったのが、今年は、釧路市の学力テストで、小学校3年生で出題された「倍のかけ算の文章問題」〜4月に受験していますから、小学校2年生終了段階の実力〜で正答率が70%まで行っているのも、事実なんです。要するに、今年の結果も散々だったけど、以前はさらに輪をかけて酷かった、ということです。
そして、とりあえず、ここまで来たものの、ここから先は、もう少し具体的な方法で、先を見据えないと、これ以上の学力向上は期待出来ないのではないかと思うんですね。そこで、より具体的に、どこを改善していくといいのか、ということを自分なりに書いて行こうと思います。
その第1弾が「家庭で直すところ」です。
家庭での意識で、釧路・根室と他地域の一番の違いは
釧路・根室〜少年団や部活で忙しいから、勉強できなくてもしょうがない。 北見や帯広〜少年団や部活をやっていようとも、勉強はきちんとやってもらう。
という部分です。
学習面で他地域を見てきている人は、ここが全く違うということに気づきます。これは宿題で顕著になっていて、他地域の子は宿題で出されたものはきちんと全部消化してきますが、釧路の場合、とりあえずちょっとだけやっておいて「あとは出来ませんでした」が当たり前になっているんですね。さらに追い打ちをかけるように「うちの子、部活で忙しかったので勉強が出来ていないんです」と親までが言い訳をします。こんなこと、他地域ではありません。
親の「少年団・部活を熱心にやらせている理由」として「人間関係がきちんとできるように」「上下関係を理解して、大人になってからもきちんとできるように」などが主流だと思いますが、「やること」をきちんとやらなければ、人から信用されず、人間関係や上下関係が良くなるはずがありません。単に「必要な資格すら取れないやつ」「返事だけいいやつ」「言い訳ばかり多いやつ」としか扱われないんです。事実、就職率の低さがそれを物語っているんです。
ですから、家庭の意識改革の第一弾は「部活・少年団を勉強しない言い訳にしない」という事です。幸い、道教委が「文武両道」を掲げてくれた訳ですから、それを前面に押し出した「釧路市の教育改革」を市教委が率先して行っていくことです。
まず、教員に「部活・少年団を勉強をサボる言い訳にさせない」を徹底させること。
学校で宿題忘れについて、どのように対応するかという教員の研修を行うこと。
また、学年だよりなどにこのことをきちんと明言させ、必ず、それを家庭に配布すること。一度だけでは家庭では定着しないので、事あるごとに何度でも学年だよりで意識改革行うこと。宿題などの提出状況は、逐次、家庭に知らせること。
そして、学校の部活自体も、テスト前はきちんと休みにして、勉強する時間を確保させるようにすること。テスト前日に練習試合を入れたり、1日・2日しか勉強時間を与えなかったりする部活があるので、そういう点をきちんと調査し、改善させることです。
さて、ここが改善されると、どのようなことが続けて起こるか、という、ちょっと先の部分まで見据えておきましょう。
実は、この「文武両道」の意識の強い所では、部活・少年団をやっていても学力がある程度確保されますから、勉強をサボって、ゲームやスマホにかじりついている子は、自動的に学力下位に集中していきます。そうなると、子供が勉強をしないことに関して、親の意識が変わり、より真剣に子供の学力について考えるようになってきます。
現在の釧路の状況は、ゲームやスマホで遊んでばかりいたところで、部活・少年団をやって全然勉強しない子と同レベルですから、「うちの子、全然勉強しないんですよ」と親が言っていたところで、みんなが勉強せず、みんなが平均くらいのところにいるため、そんなに真剣味はなく、そこそこの高校に行けるだろうという感覚なんです。
ですから、部活や少年団が一生懸命出来るなら、勉強だって一生懸命やれるんです。そして、そういう子の学力が伸びていくと、相対的にゲームやスマホで遊んでいる子の学力が低くなりますから、遊んでばかりいる子の親や本人自身が真剣に勉強の事を考えるようになってくる〜そういう割合が増えて行くんです。
こうやって、家庭全体の意識改革を行わない限り、学力向上策が頭打ちになります。そろそろ一歩上のレベルに、授業内容も家庭の意識もシフトさせていかなければなりませんね。
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