(これも2012年に書いた内容です。ですから、文章で出てくる「今年」は2012年と思って読んでください)
宿題をきちんとやらなかったり、授業前の準備がきちんと出来なかったり、最悪は「自分で問題を解いて、自分で確認する際に、間違えているところでも平気で○をつける」など自分で○つけができなかったり、しっかりしたことが出来ない子が、最近、増えてきています。根本の原因は、小学校の低学年の段階で、細かな事まできちんとする、という事を指導されてきていないという事なんですが、それにプラスアルファの要因もあります。
ここでは、最低でも、「自力で○つけが出来る」というレベルまで、子供さんの状況を改善しなければなりませんから、その点に絞って問題点を書き出してみようと思います。
まず、最初は「子供さんが、集中できない環境で勉強していないか」ということです。 テレビを見ながら、自己採点をしていると、当然、答えの見間違いなどが発生します。漫画やゲームが近くにあれば、そちらを早くやりたいために、採点が雑になる可能性もあります。 そして、最近多いのが、「物を食べながら勉強している」というパターンです。これ、一度、お母さん自身で試してみて下さい。「計算問題が一問終わる毎にポテトチップスを1枚食べる」のと「計算問題が全部終わって、○つけを済ませてから、ポテトチップスを食べる」のをやってみて、その際の演習時間と正答率を比べてみるのです。もちろん、お母さんがやる場合、簡単な計算問題だと、どちらもすぐ出来てしまうと思うので、桁数が多い5桁〜6桁の加減や3桁以上の乗除あたりがいいでしょう。実際にやってみると分かりますが、物を食べながらやると、時間が異常にかかり、正答率も若干下がります。
お母さん自身も「疲れたときには甘い物がいい」という事を聞いているせいか、チョコレートなどを食べながらやりなさい、と子供さんに勧めている場合もありますが「食べながら勉強をする」のと「勉強に区切りがついて休憩時間で食べる」というのは、大きな違いがあります。食べながらやる場合、食べ物に手を伸ばしたときに、そこで一旦集中がとぎれます。その状態を繰り返す訳ですから、集中力が途中で切れるという事が習慣になってしまいます。結果、きちんとした姿勢で長時間座っていれなかったり、すぐに他のものに気が散って、散漫な状態で勉強するのが当たり前になってしまいます。こうなると、本人は一生懸命やっているつもりでも、全く結果がついてきません。これでは、実際に問題を解いても、○をつけてもミスが多くなってしまいます。
もう一つは「慢心」です。 「自分は正しくて合っているはずだ」「いちいち確認するのが面倒くさいし、ちょっとくらい合っていないのがあっても、他にも出来ていない人がいるからいいや」と雑に物事を行うようになっていたり、「こんな面倒な見づらい解答だから悪いんだ・そもそも、こんな宿題を出すのが悪いんだ」と責任を他に転嫁して、自分は悪くないと思っていたりすると、やること全般が適当になってしまいます。
こういう精神的な部分に関しては、直すのはかなり苦労すると思います。結局、「ダメなものはダメ」としっかり指導していくしかありません。 この状況については、過去のお母さん達は、交換条件のペナルティを与えてきちんとさせるようにしていくパターンで対応していました。「ちゃんとしないとゲームを取り上げる」などの「好きな事を我慢しなければならない」というパターンですね。
で、なぜ、このような事を書いているか、というと、実は、中学生・高校生になって、ここを克服するのにみんな非常に苦労しているんです。○つけが出来ないと「何が正しくて何が間違っているか」を自分で判断出来ない子になってしまうのです。
今年度行われた全国学力調査のアンケートでも「自分に良いところがある」に「はい」と答えた子が「小学生で28%」に対し「中学生で16.5%」とほぼ半減してしまうのです。そして、中学生になって自信を無くすというパターンが学力の低い地域で顕著なんです。おそらく、物事がきちんと出来ない子を中心として、小学生の頃は「勉強でも運動でも出来る方だ」と思っていたのが、中学生の勉強について行けなくなり、そこで挫折しているのではないか、と推測しています。
雑な事を雑なままで過ごさせてしまうと、あとあと苦労します。この点は、早めに直して行って下さい。
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