<「かくれたカリキュラム」の家庭版>
学校の先生用の本に「かくれたカリキュラム」というものがあります。どういう内容かというと、例えば、だらしない格好をした先生がいたら、子供達に「勉強ってだらしない格好でやっていいんだ」とか「仕事をするときはだらしない格好でもいいんだ」という事を無意識のうちに教えている事になる、といったものなんですね。そして、これを「家庭でのしつけにも当てはめてみようかな」というのが今回のお話です。
それで、おそらく家庭で問題になるのは、大きく分けると次の2点になろうか、と思います。 1 見逃し 2 裏の意味
1の「見逃し」というのは、例えば「子供さんが悪いことや他人に迷惑をかけるような事をしたとき」に「注意する」場合と「子供だからしょうがない」と見逃してしまう場合があると思うんですね。それで、ここで見逃してしまうと、子供さんは「このくらいの事はやっても許される」という判断をしてしまう、ということです。そして、親が、そう子供さんが思ってしまう手助けをしている、ということになるんですね。
別の例で行くと、例えば「子供がスマホでいつまでも遊んでいる」というケース。これを一回でも注意せずに見逃したら、子供さんは「これくらいなら、やってもいいんだ」となってしまうんです。「ゲーム」も同じですね。
そして、よく「うちの子、いくら言っても守らないんです」というお話をお母さんから聞くのですが、これは、どこかで、こういう見逃しがあって、子供さんが「このくらいならやっても大丈夫」とか「お父さん・お母さんとの約束は、多少守らなくても大丈夫なんだ」と思わせるような過去の何かがあったと考えるべきです。
2の「裏の意味」というのは、例えば、部活をやっている子に「中3で、部活が終了したら、受験勉強を一生懸命やってもらうからね」というお話をしたとしましょう。そうすると、子供さんは、その言葉の意味を裏で捉えて「部活が終了するまでは、勉強をしなくていい」と考えるんです。
別の例で行くと、子供さんがいつまでもダラダラゲームをやっていたとします。そのときお母さんが「そんないつまでもゲームをやっていたら、お父さんに怒られるよ」と、お父さんがその場にいないときに言ったとします。すると、子供さんはどう考えるかというと「お父さんが来たらやめればいい」「お母さんしかいないときには好きなだけ出来る」と考えるんです。当然、そうなったらお母さんの言うことは聞かないですよね。
そして、自分たちも、お母さんから「私の言うこと、全然聞かないので、先生から注意してもらえませんか?」と言われることがあるんですが、その場合、上記の「見逃し」か「裏の意味」で、子供さんの感覚が狂ってしまっていると考えた方がいいんです。
ですから「しつけ」がうまく出来ない、という背景には、上記の「かくれたしつけ」があるんだ、と思っていてください。もし、うまく行っていないな、と思っているならば「これからは、お母さん、厳しく見るからね」と宣言して、上記の「見逃し」「裏の意味」で、子供さんに「逆しつけ」をしないように心がけていってください。
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