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  • markun5

「音声」から「文字」への変換、大丈夫ですか?

<情報の入手経路は2パターン>

 ちょっと理屈っぽいお話ですが、人間が情報を入手する場合、大きく分けると「音声」による「耳から入ってくる情報」と「本などを読む」と入ってくる「文字情報」があります。国語の要素である「話す・聞く」が音声方面、「読む・書く」が文字方面で、音声情報として「聞く」で仕入れた情報をアウトプットする「話す」。文字情報として「読む」でインプットされた情報をアウトプットする「書く」。また、音声情報と文字情報をクロスさせる方法として「文字を声を出して読むという「読むから話す」への変換。「聞いた事を書き取る」という「聞くから書く」への変換。これが自由に行える事が大切になります。


 さて、ここからがちょっと大切な話になるのですが、上記のクロス変換の場合、「読むから話す」への変換は、一般的に「朗読」、「聞くから書く」への変換は、「授業の板書(この場合、黒板をただ写すだけでは無く、先生の説明を追加してノートに取ったりすることを差します)」ということなのですが、どうやら、最近、この板書がおろそかになっているせいか、「聞くから書く」への変換、特に「聞く」という部分で、非常に能力の劣る子が目に付くようになってきています。要するに「話を聞いても大切なところを頭にきちんと入れられない」というタイプの子が多く存在していると思われます。


 それで、一番簡単な確認の方法としては、子供さんが解いた問題の答え合わせを「お母さんが、答えを読んで○つけさせる」という方法です。最初は単純な記号で「ア・イ・ウ・エ」などで構いません。最初はゆっくり1つずつ読んであげるのですが、慣れてきたあたりから「記号を3つ区切り」くらいにまとめて言って上げて、少しスピードを上げます。すると、普通は「一旦、区切りの3つを頭に入れて○つけをする」ようになります。ところが、これができず「1つ1つバラバラでゆっくり言って上げないと○つけが出来なくなる」というタイプの子がいたら、そういう子は、音声情報が頭に残らず、先生の説明の意味が分からない子、というふうに判断していくといいと思います。そうなると、最終的に、頭に残っている断片的な言葉から、適当に答えてしまう子、になっている可能性があります。


 大人になってから注意される事として「メモを取らずに話を聞く」「人の話をきちんと聞けない」というのがありますが、結局、この「音声情報」の取得が困難なタイプに起きやすい現象ではないかと思っています。

 子供達は、メールなど、どちらかというと「文字情報に偏って生活している」という子が多いと思いますし、耳にイヤホンを差したまま、道を歩いている学生などを見かけると「この子、難聴になっていて、音声情報の取得が困難なタイプではないか」なんて思ってしまいます。こうやって、今の子供達は、どんどん音声情報から離れていく傾向にあるのではないでしょうか。


 「声に出して読ませる」という事であれば、実際に読ませて、合っているか間違っているかを判断すれば良いことなので、誰でも簡単に出来ることですが、音声情報の取得の確認、ということになると、それこそ、きちんと気を使っていなければ分からない部分だと思います。一度、気をつけてみて下さい。

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