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「間違えろ!」と言う教師は「指導力不足」

<「正しい方法を身につける」のが先決>

 今回は、先生の指導法の話になりますが、お話を読んで「そうか」と思った保護者の皆さんは、こういう事を言う先生って、指導力不足なんだな、と思ってもらえればオーケーです。


 さて、タイトルにある「間違えろ!」という教師。

 普通「間違える事を恐れるな」とか「間違えてもいいから、思った通りの事を言ってごらん」とは言っても、いくら何でも「間違えろ」とは言わないでしょう。こういう教師って何かを履き違えていて、場合によっては「間違えた方が覚えるんです」くらいに言うんですよ。ハッキリ言って「おバカ」。


 実際に指導をやってみると分かるのですが、実は、最初に間違えてしまうと、その間違えた感覚がいつまでも残ってしまい、正しい感覚に戻すのが大変になるのです。ですから、子供達が間違った感覚にならないように「間違え易いところで引っかかるのを未然に防ぐように布石を打ちながら指導する」というのが、正しい指導法なんですね。


 それで、実際に子供さんの様子を見たり、お父さん・お母さんが子供のころのことを思い出してみてほしいのですが、もしも、何かで間違えたときには、どちらかと言うと「恥ずかしい記憶」とか「こうやって言って間違えたんだよね」という笑い話で覚えていることが多く、そちらのが記憶に残りやすいんですね。試しに、思い出してください。そういう間違えたときって、自分の間違えた内容よりも「正しい内容」をしっかり覚えていますか? 

 これが、逆に、ちょっと自信がなく答えたときに、先生に「よくできたね~」と褒められると、それが比較的「ハッキリと記憶に残りやすい」ですよね。本来、子供たちの学力を上げていこうとした場合、後者の方式を取るのが常道なんです。

 もう一点は、自分は「熟成」と呼んでいるのですが、実は、しばらくの間放っておいて「無駄な部分」や「覚えているとかえって差し障りがある部分」を半分以上忘れかけている状況で、もう一度その内容の結論の部分を復習するのです。塾で言う「講習会で行う復習」のようなもの、と捉えておいてください。そうすることによって、余計な部分がそぎ落とされ、結論の部分がすぐに頭から引き出されるようになって、問題に取り組むスピードが上がったり、思考力が上がったりするのです。

 その際、最初に習ったときに「正しい方法しか知らない」場合は、その正しい内容だけでスムーズに勉強が進むのですが、最初に間違えている子は「正しい方法」と「間違えた方法」の両方を思い出してしまい、どちらが「正しい方法だったか」という判別がつかない状況になりますから、そこでも時間がかかったり、最悪、結局「復習したけど身につかず」という事になります。

 実は、釧路の子の学力上位層が伸びていかない原因の半分は、ここだと思っていていいでしょう。要するに、最初の指導が雑で、子供達の中に「正しい方法」と「間違った方法」を混在させてしまうため、最終的に、学力が伸びきらないのです。


 もちろん、クラスにはそれなりの人数がいますから、間違える子も出てきますが、きちんと授業をやれば、そういう子は最小限に押さえられるはず。授業が下手で、教えても間違える子が大量に出てしまい、その言い訳で「間違えることが良いことなんだ」なんて言っているような先生は最低。こんな事、まともな先生なら誰も言いません。「次は間違えないように、しっかり勉強しておこうね」というのが筋。

 ということで「間違えろ」と言っている先生が担任なら「うちの子、勉強内容、きちんと身についていないかも」と疑ってかかってくださいね。

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