<興味を持たせてもうまく行かない原因はこれ>
「うちの子、興味を持つと一生懸命やるんです」というお母さんも、やはり未だに多いですし、「勉強に興味を持たせる」ということを先生に要求する保護者や、それを売りにしている塾なども未だにあるわけですが、これ、うまく行ったことがない、と思っている方も少なからずいると思います。
それで、ここでは「興味を持った後の子供さんの行動」というのを考えてみようと思うのですが、もしも、興味を持ったことがあって、じゃあ、家に帰ってやってみようと思います。そして、その後の状況は単純に2つのパターンに分かれます。
1 自分でやってみて何かが出来たとか、何かを新しく知ったとか、そういった成功体験を積む。
2 やってみたが出来なかった、調べても書いてある意味が分からなかったと、成功体験を積めなかった。
さて、興味を持って、もしも1のパターンになった場合、これは、その後、興味が長続きしそうですね。一時はその内容から離れても、将来的に「再び、何かのきっかけで関心を持つ」ということもありそうです。
ところが2のパターンになった場合、どうでしょう? この状況で、それでも興味が長続きし、出来ないところや分からないところを必死になって練習したり調べたり。そういうことをする子は、さすがに少数派ではないでしょうか?
ということは、興味を持つ・持たない以前に、興味を持った後で、それが「出来る」「分かる」につながらないと、結局はものにならない可能性が高い、ということになります。
それじゃあ、出来る・分かるになるために何が必要か、というと、これは今まで問題にしてきた「基礎学力」ということになるんですね。それも「とりあえず出来る」とか「苦労してやっと出来た」程度では、なかなか次につながらないことが予想されますから、興味を持って取り組んで「サッと出来た」「パッと一瞬で分かった」という経験を積むことが望ましいわけです。
そうなると、興味を持つ前の段階で「物事がサッと出来る」「パッと分かる」というレベルの学力〜いわゆる「習熟」状況が作られていないとならない、ということですね。
具体的に言うと、宇宙のことに興味を持ったとして、図鑑を買って与えたはいいけれど、中に読めない・意味の分からない漢字がたくさん出てきて、訳が分からない状況では、そこでギブアップ。その後、勉強して漢字が読めるようになってくれれば、後で図鑑を開く機会があったときに、再び興味を持ってくれるかも知れませんが、最終的に漢字が読めない状況だと、図鑑はその後、一生開かれずに終わる可能性が高い、ということです。
ですから、「興味・興味」というのは、それはそれで構わないですが、そこから「興味」を長続きさせる方法、というのも、同時に考えて欲しいと思うわけです。
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