これも2017年に書いた内容です。
<教科書をきちんと読んでみよう>
勉強が出来るようになるためには、練習が必要ですね。漢字を書いたり、計算を練習したり、そういう事って、必ず、ついて回ります。そうなると、どこで練習するのか、という話になります。さてさて、これ、学校で全部できるでしょうか?
また、学校で習ったことをすべてその場で覚えられる子って、どのくらいいるのでしょう? 覚えきれなかった事ってどうするのでしょうか? 学校で覚えられなかった事は、放ったままでいい、ということはありませんよね?
結局、家でも練習したり、覚え直したりしなければならないんですね。だから、家で勉強するように「指示」を出したり、勉強するものを与えるため、「宿題」は必ずついて回るんです。
だから「練習や覚え直しは必要です」と言いながら「宿題は必要ない」と言っているのは、全く筋が通らないんです。たまにそういうことを言う保護者の方もいるんですが、そういう人は「俺は練習なんか必要ない」くらいに思っている人なんですよ。でも、そういう人って、ちょっと突っ込むと、すぐにボロが出ます。単に「親の見栄」だったり、誰でも知っているような事を知らなかったりするんですよね。
それで、朗読のところでも書いたので、ここでは「教科書の読み」を例にとって、自分で家庭学習をしながら、最終的に自分で勉強ができるようになっていく手順をお話ししますね。
まず、小学校の1年生や2年生では、家で調べることが出来ません。まあ、中には、その段階で辞書の引き方を知っている子もいるとは思いますが、基本的に、辞書に関しては小学校3年生で習うことになっていますから、ここでは、無理強いはしませんね。
となると、この段階では、先生が読めない字が無いかどうか、きちんと確認して、みんなが声を出して読めるように、漢字にふりがなを振らせたり、言葉の意味を1つ1つ教えてあげたりしますね。この段階では、家に帰ってから練習するのは、きちんと最後まで声に出して読むことです。「家で読む練習をしてくる」という「指示」を出し「声に出して最後まで3回読む」なんていうのが宿題になるわけです。
これが小学校3年生になって辞書の引き方を習うと、最初のうちは、教科書に出てくる言葉は、ある程度先生が説明して、聞き慣れない単語の2つ、ないしは3つくらいを調べてくるように「指示」を出します。これが「宿題」ですね。そして、その「調べる単語の量」を少しずつ増やしていきます。そうやって、小学校3年・4年の2年間くらいかけて、教科書の漢字や意味の分からない単語をすべて自力で調べられるようにする、なんていうのが目標になっていきますね。
さて、ここでどうでしょう? 子供さんの辞書の様子は? 結構、使い込んでいるようですか? それとも、完全に机の飾りになってしまっていますか?
それで、もしも、きちんと調べているようならいいんですが、机の飾りになってしまっている場合、保護者の責任というよりも、むしろ、学校側できちんと宿題を出さず、子供達に「自力で克服する力」をつけさせていないことになります。これが、後々、大きく響いてきます。
ちなみに、辞書にやたらと付箋を付けている子供さんを見かけますが、これは、あまり良い方法ではありません。というのは、こういう子に辞書を引かせると、結局、普通に調べるだけで、付箋が全く役に立っていないんです。それよりも、かえって邪魔なくらい。
もしも、付箋をつけるとしたら、短い単元の間だけ。例えば、教科書の一単元だけ付箋をつけて、意味を忘れてしまった言葉をすぐに引き直せるようにしておく、という使い方でしょう。そして、その単元が終わったら、全部外して、次の単元に入ったら、また、そこで出てきた意味の分からない言葉だけに付箋を付ける、という使い方になります。
やたらと付箋を付けまくっているのは、単に「私、勉強しています」というアピールにしかなっていないと考えてください。
さて、本題に戻りますが、もちろん、例として、国語の教科書の読みについて書きましたが、一事が万事、すべての教科で「自分で克服することが出来ない」という状況になっていきます。
実は、学校の先生の書いた本を読むと、こういう「言葉の知識」のようなものでも「みんなで話し合って解決させる」という事をやっているようなところがあるようなんです。こんなことをやらせたら、調べもせず、自分たちの未熟な知識を寄せ集めて、思いつきで想像し、勝手な解釈をしてお終いにならないか、という不安だけが残りますね。
そして、よくお母さん方から聞く話で「うちの子、何を勉強して良いか分からないんです」「勉強の方法が分からないんです」というのがありますが、全部、この「自学」が問題になっているんです。要するに「家で何をしなければならないか」という練習や経験が全く出来ていないので、いざとなったときに、何をしていいか分からない、となっているんですね。
そして、こういう話を聞く度に「自分で克服する練習が足りていないんだな〜」と毎回思うんです。
ですから、こういう事は、段階を踏んで、できれば小学校の低学年から、順に子供たちが自分で出来るようになったという感覚をつかんでいきながら成長していけるように配慮することが大切なんですね。
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