これも2014年に書いた内容ですが、皆さんだと、こういう状況になると、どうですか? それこそ「考えて」みてください。
<皆さんならどうですか?>
お父さん・お母さんも、実際にこのような状況になったらどうなるか? ということを考えてみてください。
会社で報告書や企画書などを書いて、上司に提出します。ところがその上司は「こんなんじゃダメだ。もっと考えて書いてこい」と言います。それで、もう少し企画を練って考えてみます。そして、また上司のところへ持っていきます。すると上司は「もっと考えることがあるだろう」と言って、また、書き直しを命じます。すると、どうなりますか?
自分が思うに、たぶん、こんなふうに思う人が多いのではないかと自分は考えます。
「そんなに考えろ、考えろと言ったって、何を考えればいいんだよ」。
結局、何をどうしていいか分からず、ただ「考えろ」と言われ続けたら、もう、頭が「硬直」してしまって、何も考えられない状況になってしまうものなんですね。少なくても「考えろ」と言う指示を出す背景には、それを考えるための材料が揃っていなければならないのです。
これが学校で行われた場合、最初はとりあえず、自分の出来る範囲で考えてみます。でも、何も思いつかなかったら、子供達はどうするか、というと、周りを見回して友人に向かって「おまえはどうやって考えた?」なんて、私語をし出したり、チョロチョロいたずらをしたり、もしくは、完全考える事を断念して、ボーっとしたり。これ、子供達が「頭の硬直」を起こしている状況なんです。
それでも「考えろ」となった場合、子供達は「テストのとき鉛筆転がしで答えを書く」ように、とりあえず何でもいいから適当に答えておけ、とこのようになっていきます。
要するに、子供達に何でもかんでも「考えろ」と言い続けていくと、頭の硬直を起こすのが習慣となり、かえって自分で物事を考えることが出来ない子供になっていくと考えた方がいいんですね。もちろん、そうなると、答えも適当に書いてお終い、にする子が増えて行くんです。 まさに、今が、その状況なんです。
実際に、研究授業を見に行ったりすると、こういう状況が起きているんですね。先生が子供たちに
「さあ、考えてみよう」
「他にはないかな?」
「もっと別の考え方の人、いないかな?」
これが、ずっと続くんです。正直、見ている方もイヤになります。当然、子供たちは、飽きてチョロチョロし始めますが、それでも、お構いなし。
それで「子供たちに考えさせる授業です」と自信満々に言うんです。でも、上記の話が分かっている人から見れば、明らかに子供たちの頭が「硬直」してしまっているんですよ。
ですから、授業参観などで、子供がチョロチョロし出したら、それは、頭が硬直を起こしていて、もう考えられない状況になっているんだ、という判断が本当は適切なのです。
さらに酷くなると「周りの人と相談するのはオーケー」「グループで相談してみましょう」とやってしまう。それは、もう、考える力以前の取り返しのつかない状況〜話が聞けない、作業も出来ない、答えを書かせたらすべて適当〜に、子供達を追い込んでいる事になります。
残念なのは、その状況になっていてもなお、「子供達は自分たちで考えているんです」と思っている人がいる、ということ。この状況から早く脱却しなければなりません。
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