これは、以前話題になった学習内容三割削減前の話。
現在では「3割削減」では学力低下が著しいということで、元に徐々に戻し始めていますが、そのときと、ここに書かれている状況とほぼ等しくなっています。
現在の子供さんは、どうですか?
<国立教育政策研究所の調査>
2004年に行った高校3年生の学力調査で、社会科の内容を理解していない生徒が多いということが分かり、理数離れだけではなく、社会科についても学力の懸念が生じている。
新聞によると、日本史の「弥生文化の特徴を読み、そこから時代を答えさせる問題」の正答率が23%、政経では「違憲立法審査権」を答えさせる問題で、正答率35%、世界史のガンジーの「非暴力」を答えさせるものが38%と正答率の予想を遙かに下回る数字として、例示されていた。
そして、ここから自分が思うのは、この設問で答えられないのは、やはり「知識」から「理解・思考」という部分につながりがないなと言うこと。そういえば、最近の生徒は、単純に用語を覚えることは「ちゃんと覚えなさい」というとそれなりにやるのだが、頭の中でその知識の整理・分類がしっかり出来ていない場合が多い。
その原因の一端は、自分でノートを整理出来ないという事から始まっていると思う。例えば、中学校の歴史で習う江戸時代の元禄文化と化政文化の際、何も指示せず「ノートを作りなさい」というと、ダラダラと文章だけを写してくる子が多く、自分から表に整理して2つの文化の違いをハッキリ分かる形でノートを作ってくる子は稀な存在。だから、物事を考える際、「これは、こっちのグループに属するからこういう風に考えよう」という流れの思考が成り立たなくなってきている。
もう一つは「理由づけ」をきちんとしていない子が多い。物事を考える基準は「なぜ、そうなるのか」という疑問を解決しながら養われていく場合が多い。ところが、その「なぜ」という部分が欠落し、ただ覚えれば良いという方式で勉強を進めていては、思考力が養われなくなってしまう。これは「数学・理科」の「どうしてこうなるのか?」という部分の勉強内容が貧弱であることに起因すると思っている。だから、これは決して社会だけの問題ではなく、根本的には「理数」の問題と考えた方がいいのではないだろうか。
さて、この資料は旧指導要領(3割削減前)の内容で学んで来た子供達の結果。ただし、この世代の小中学校時代は「学級崩壊の話題が全盛」の時。この結果を踏まえて、新指導要領(3割削減後)の結果がどう出るか、皆さんでしっかりチェックしておきましょう。
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