<高校数学 これが出来なきゃピンチかも>
高校の数学では、いろんな所で「場合分け」というのをやっていたのですが、覚えていますか?
例えば「ax=b を解け」という問題が出てきたときに、中学校では、普通に等式の変形を行い x=b/a とやるわけですが、高校になると、a=0やb=0のときを考え、それぞれで「場合分け」をしていくんですね。以前書いた「0のセンス」が絡む所なんですけれども、今回は「0のセンス」ではなく「場合分け」の方の話です。
それで、この「場合分け」というのは、a=0 という場合と、それ以外の場合で、それぞれ「条件設定」があるんですね。この条件を読みとれるかどうかが、やはり数学では大事な所なんです。
このように、高校の問題では、どういう条件で「場合分けをしなければならないか」を考える事が重要視されてくるようになると思っていてください。こういった内容が、高校1年生の1学期で扱われるんです。
ただ、この「条件」については、数学の問題ならまだ真剣に考えると思うんですが、日頃目にする普通の文章になると、この条件が「隠れていた」り「暗黙の了解」によって成り立っている場合が多くて、それを理解出来ないケースが結構多いんです。ですから、高校になると、数学の力が、そのまま国語力に反映されてくるんですね。
例えば、自分がこのブログに書いている内容で考えてみると、お父さん・お母さん向けに、子供さんに勉強させる方法として書いているのは、あくまで「家庭学習で扱うもの」という条件下で書いていますし、学校の勉強に関する内容は、基本的に「集団の指導で行うもの」という条件下で書いています。
ですから「学校でこうやっているから、家でもこうやってみよう」というのが通じないものもありますし、逆に「家でこうやって子供が勉強できるようになったから、学校でもやってくれ」というのも、通用しない場合があります。あくまで「家庭で、個別に子供さんに対応する方法」と「学校で集団に対応する方法」とに違いが出て来るんです。
もう一つ例を挙げておくと、教育本などがあります。子供さんの学力を上げる方法、なんていう本がたくさんでていますが、当然、子供さんの置かれている環境などが、ある一定の「条件下」で成立する話、と思っておくといいと思います。特にこういう本だと、なるだけたくさん売ろうとしますから、こういう「条件」を隠して「誰でも簡単に出来る学力アップ法」のような見出しが付いたりしますが、そんな「万人に通用する方法は無い」と思っていた方がいいんですね。実際に本を買って、実践した人もいるのではないかと思うのですが、意外にうまくいかないでしょ? それは、本に書かれている例と条件が違うからなんです。
ということで、数学の勉強の中で扱われる「条件の読み取り」「場合分け」というのは、社会に出たときに、この条件を読みとる練習をして、将来的に、誤った判断をしないようにしていこうという目的があるんだ、と思ってください。
ちなみに、ディベートでは、この前提条件をすり替えて、話をゴチャゴチャにしてしまう「条件のすり替え法」という方法が存在します。国会の論戦とか「朝まで生テレビ」などで、結構、出てきますから、よく話の内容を聞いてみてください。気づいたあなたは「数学が出来る人」です。
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