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markun5

「文章問題」で指導力が分かる

<変な式を作ってしまうには訳がある>

 中1の文字式の文章問題でこんなのがあります。 「50円の物をa個買って1000円出したときのおつりを文字式で表しなさい」


 正答は 1000-50a(円)となるわけですが、実は、この問題で式を 50a-1000(円)と答える子が結構多いんですね。釧路だと、3〜4割くらいの子が、まず、このように答えてきます。どうしてかと言うと、これ「数値の大小関係を考えずに、単純に文章に出てきた順に文字や数字を並べているだけ」なんですね。そして、こういう子に小学校の2〜3年生の引き算の文章問題の式を書かせると、見事に「ひかれる数」と「ひく数」を逆に書いたりするわけです。

 ですから、小学校の文章問題を見るときには、ひく数とひかれる数が問題文の中で、どのような順で出てきているか、という事を考慮に入れて指導しないと、たまたま合っていただけで考え方が違っていた、なんていう事が起こるんですね。

 そして、そういった点まできちんと見分けて指導しているかどうか、ということが「教務指導力の高い、低い」につながるんです。


 さて、ひく数とひかれる数が逆になる、ということは、当然、わる数とわられる数が逆になる、ということも起こるわけで、わり算の場合、子供達の頭の中では「大きい方を小さい方で割る」という感覚でいる場合が多いんです。ですから割合の問題になると、変な式がたくさん登場します。 「50人のうちの20人は何%ですか」

という問題では、正答は20÷50=0.4で、40%となるのですが、大きい方を小さい方で割ると考えている子は当然、50÷20の式を作り、2.5%とか、場合によっては、見た目の数字が変だから帳尻を合わせようと適当に25%と答えたりするわけです。

 さらに状況が悪くなると「割合の計算が良くわからないや」と、当てずっぽうで適当にわり算の式を作り、たまたま当たっていた、なんていう子もいますし、場合によっては、とりあえず一回かけ算をしてみて「これじゃあ、数字が大きくなりすぎるな」と途中で消して式を作り直したりするわけですね。要するに「考え方が分からないので、あてずっぽうで式を作って、帳尻が合うか合わないかを考える」と言うケース。これだと、思考力とは言えないですね。

 要するに「結局わかっちゃいない」という事になっているわけです。


 そして、これを掘り下げていくと、どういう事になるかというと、よく、お父さん・お母さんの中からお話が出てくるのですが「3×4を、4×3と書いて、×をもらった」という話ですが、これは、最初の段階で、きちんと「たす数とたされる数」「ひく数とひかれる数」「かける数とかけられる数」「わる数とわられる数」という概念をしっかり教えておかないと、結局、前述したおかしな式を作る子が大量に出てくる可能性があるんですね。

 ですから、まだ、最初の段階できちんと式を作る習慣をつけさせなければならないために行う指導なんです。


 だから、指導の仕方としては正しいんですね。答えが同じくなるということを知っていて逆に書く子がいたとしても、その子を○にしてしまうと、良くわかっていないという子も○にしなければならないので、そういう指導はできないんです。また別の見方をすると「分かっているなら、指示通りの式にも出来るはず」ですよね。


 ただ、その意味を知らず、とにかく「指示に従わないとダメ」と考えている先生がいたら、これはアウト。本当に分かっている先生は、生徒が納得するように、説明をしているはずです。テストの前などにきちんと約束をしているはずですから、その点を子供さんに確認してみてください。


 逆に、先生の立場で言うと「家に帰ってから、保護者から不満がでないように、きちんと生徒に話をしておく」ということが前提ですからね。

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