これも2014年に書いた内容です。「授業の研修について」の内容ですが、正直に言うと、はたから見ると「え?」と思うような人でも「自分は仕事が出来ている」と考えている人は多いのではないか、と思います。「人の振り見て我が振り直せ」ということなんでしょうかね~。
<ちゃんと授業が出来ている?>
先日、ある学校の先生と「授業の研修」という内容をお話したのですが、授業の研修というと学習塾などでは「どうやって教えたら生徒が出来るようになるか」というものになるんです。ですから、自分が教えて、生徒がサッと出来るようにならない場合、それは「自分の授業が良くない」という判断で「もっと好い教え方がないか」と、先輩の授業を見学したり、模擬授業をやったり、そうやって授業の質を高めていこう、というのが基本なんですね。特に算数・数学では単元によって「うまく教えられる単元・うまく教えられない単元」というのがあって、うまく教えられない単元については、それこそ貪欲に授業の向上を目指そうとするんですね。
ところが、学校の先生には(釧根地区に限ったことかも知れませんが)、そういった感覚の人が少ないんだそうです。要するに「自分は授業が出来ているから、単元による得意・不得意なんてない〜もしくは、そういう事自体を考えた事がない」という感覚なんだそうです。
だから、生徒が出来ないのは「生徒の能力が低いから」「この単元はなかなか身につかない単元だから」という事で処理してしまっているんだそうですね。「%」が出来ない場合、それは「生徒が出来ないんだからしょうがない」「単元が難しいから、誰が教えたってこうなってしまうよな」でお終い。こういう感覚の先生が多いんだそうです。
となると、学校の進度が遅いのも「生徒が出来なくて時間がかかるんだからしょうがないでしょ」という感覚なのかも知れません。学力テストの平均にしたって「誰が教えたって、こういう結果にしかならないでしょ」という感覚で、自分の授業の質から目を背けているのかも知れません。せっかく研修センターがあっても、具体的な授業のやり方についての研修がほとんど存在せず「言語活動がどうとか、こうとか」、実際の授業の内容から離れた、そんなことばかりやっているのは「自分たちは、ちゃんと授業が出来ている」という気分でいるからなのかも知れません。実際に授業力向上〜具体的な教え方の技術を上げよう〜と思っている人は、民間や有志の団体などに所属しなければ、実際の授業の向上のための研修が受けられないという状況のようです。
でも、本当のところ、子供達の学力が向上していない~学力テストの平均が下がっているなどの事態が起きている~のであれば、それは「具体的な授業の進め方・やり方」が良くない、と考えなければならないのです。
小学校の漢字が読み書き出来なかったり、小数・分数の計算が出来ないのは、教え方が悪いからです。「%」の正答率が低いのは、教え方が悪いからです。元々難しい単元だ、というのなら、具体的な教え方を研修・研究して、子供達の理解力を上げるという方向で考えなければなりません。
そして、より正答率が高くなるように教えられる方法が、よりよい授業であり、そういう授業が普及して、はじめて地域の学力が上がって行くんですね。また、正答率が高くなれば、子供達の理解力も速くなり、結果、進度が大幅に遅れる、ということもなくなっていくのです。 この点、学校の先生方は、もう少し、真剣に考えて行くべきではないでしょうか。
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