<作業時の姿勢と思考時の姿勢>
最近の子供達の傾向として「考える時の姿勢が悪い」という点が挙げられます。
もうちょっと状況を詳しく言うと「姿勢を正しなさい」と言って、何らかの作業をさせると、それなりに姿勢を維持することが出来るのですが、いざ「何かを考える」となったときに、途端に猫背になったり肘をついたりするようになる子が多い、ということです。
例えば、計算問題を解きなさい、という場合だと20分くらい経っても平気で姿勢をしっかり保つことができますが、文章を読んで考える問題になると、姿勢を正して考えていられるのは、せいぜい1・2分程度。目一杯頑張っても5分保たないという状況になるんですね。
そして、この「考える問題」になって、足をポーンと投げ出したような姿勢になって足をブラブラさせていたり、ベタッと机に寝そべるような姿勢になっている子であっても、本人はいたってまじめに「自分は真剣に取り組んでいる」と思っているようなんです。でも、普通に考えた場合、この姿勢だと、気持ちは頑張ってるつもりでも、体は「完全に考えるのを諦めている状態」なんですね。これでは良い結果は出ないと思っていた方がいいでしょう。
そして「なぜ、このようになってしまうか」というと、これは「自力(自分一人の力)で最後までやり遂げる」という習慣がついていないから、と推測されます。
というのは、自分が受け持っていた生徒の過去の事例を考えると、自力でやりきる事が出来る子は「考える問題」でも姿勢をきちんと保つ事が出来るのですが、何かあったときに「人を頼る」という癖のついている子ほど、姿勢が乱れ易いんですね。
そして、この状況を学校の授業に当てはめて考えると、どうやら「グループの話し合い」が多いところほど、生徒の姿勢が悪いようなんです。要するに「自力ではなく、他力で解決する」「真剣に一人の力で考えず、あっちを向いたりこっちを向いたり」、こういう事が続いているうちに、だんだん集中できず、話し合いにも飽きてきて、結局、だらしない姿勢になってしまう、ということではないかと考えています。
それと同様に、家庭でも、勉強内容が分からなくなるとすぐにお父さん・お母さんに頼ってしまうタイプの子も、結局は「すぐに考えることを投げ出してしまう」という癖がついてしまい、姿勢が悪くなることが多いと思っていてください。
そして、姿勢は「集中力のバロメータ」です。姿勢が悪くなると、基本的には「集中できていない」と考えておいてください。多少は猫背になることはあっても、実際に、真剣に仕事をしている人は寝ころんだような仕事をしませんよね。それは、体を起こしてきちんとした姿勢で仕事をした方が、作業も早いし、内容にもミスが少ないからなんです。要するに「集中している」からなんですね。 それと同様に、寝ころぶまでは行かなくても、体を起こしてきちんと座っているか、それとも、骨盤が寝てだらしなく座っているかで、集中の度合いが違うのも当たり前、と考えてください。 ですから、勉強中の姿勢というのは、とても大事なんですね。
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