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markun5

「心・技・体」を考えよう

 これも2013年に書いた内容です。

 具体的な事例は、当時のものですが、基本的な内容は、今でも、もちろん、これからでも十分通用する話です。参考にしてください。


<「心・技・体」って?>

 自分は「入試は、学力3割・体力3割・気力3割・運が1割だ」と話します。

 いくら勉強したところで、当日、風邪をひいて体調が悪ければ実力は出せませんし、最初の国語のテストで集中力が切れ、その後の科目で頭がボーっとしてしまっても良い結果は出ません。「運」についても「テスト直前に見た参考書の内容がたまたま出てくれた」という状況になるという事を考えた場合、これは最後まで諦めずにテストに向かった結果。「勘で書いた答えがたまたま合っていた」というのも、日頃、勉強を一生懸命やっていると「4択のうち、これは違う選択肢」と気づき、そこから勘の当たる確率が高くなったり、「何となくこれが答えっぽい」という感覚が働いたりするわけで、決して「何もしないで運のいいことばかりは起きない」と思っていた方が良いでしょう。


 そして、これがそのまま、子供の将来につながる事になるのではないか、とも思っています。要するに、子供達が将来を生き抜いて行く場合、「頭を使うか」「体を使うか」「心を使うか」の3つの最低限のラインを持ちつつ、さらに、この3つの中で得意なところを伸ばしていく、そして、その努力によって「運がついてくる」というスタイルで考える事が重要だと思うんですね。

 例えば、勉強ばかり出来ても「物事を最後まで追求していくだけの体力」がなければ、そこで、その子の能力は止まってしまいます。最近では、転ぶときに手をつかず頭から倒れていく子もいるそうで、それだと「自分の身を守ること」が出来ないですよね。ドッジボールなどでボールを避ける訓練をして、万が一、交通事故に遭いそうなときに体をサッと体を避けられる子にしようとしている訳ですから、そういうときに、ただ、ボーっと立っているだけの子は、万が一の危険に対応できない子になっているかも知れません。

 また、勉強が出来ても心がついてきていない場合は、よくドラマなどで扱われる「人の命を省みない医者」のようになってしまう訳です。この辺が「勉強ばかりしていてもダメだ」と主張している人たちが具体的に頭に思い描いている人間像だと思いますが、正直に言うと、実際には、そういう人は多くはありません。


 それと同様に、「心」ばかりでもうまくは行きません。「うちの子は優しい子なんですよ」と言われながら、結局、学力・体力がなければ、仕事が出来ず、最終的に「心の優しい、引きこもり」になってしまう可能性が非常に高いでしょう。

 「体力(運動能力)」についても、力だけあって、心がついて来なければ、ただの「乱暴者」で周りの迷惑にしかなりませんし、就職を考えても、必ず勉強の内容がセットでついてくる訳ですから、単に「体を動かせば良い」という仕事はありません。何らかの資格が必要であったり、何らかの事務仕事が必ずついてきたり、という状況です。


 ですから、どのような人生を送るにしても、最低限の「学力」「体力」「精神力」が必要だと捉えてください。

 現在では、「学力低下」「体力低下」「我慢できない子供が増加」と、この3点の能力が低くなり、最悪、最低限のレベルをどこかで切ってしまっている事が問題なんだ、と捉えておくことが必要なのです。


 自分は、こういう仕事をやっていますから、必然的に「学力が中心」となってしまいますが、もちろん、家庭の教育方針として「体を鍛える事が大事」と「部活に一生懸命取り組ませている」ということであれば、それはそれで大いに結構だと思っています。

 ただし、それには「学力」「精神力」の最低限のレベルが身についていてのこと。いざ蓋を開けてみたら「小学校3・4年生の漢字が書けない」「かけ算の九九が怪しい」「1キログラムを100グラムと答える」という状況で、お父さん・お母さんが唖然としてしまうようなレベルでは、当然、将来が危ない状況になっています。

 また、いざ「高校入試で勉強に取り組もう」と思ったときに、その「精神力が追いついていない」ため、勉強が全然手につかず、結局、他の事に気を取られ遊んでばかり、という場合は、それもまた、将来が危ない状況になっていると考えた方がいい、という事なんです。

 そして、この最低限のラインをベースにして、人より多く「頭を使う」ことで「物事をしっかり考えたり、知識が豊富な人である」と他人に認められたり、人より多く「体を使う」ことで「よくあれだけの事が出来るな」と他人に認められたり、人より多く「心を使う」ことで「気が利く人だね、優しい人だね」と他人に認められ、その認められる機会というのは、日頃の努力や諦めないという気持ちが「運」という形で運んできてくれるものだ、と考えて欲しいのです。

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