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「学校で初めて習う方が一生懸命やる」の嘘

 今回は、以前「家で教えると学校でちゃんと話を聞かなくなるから、家で教えないでください」と言われたというお母さんからの相談が相次いだときに、書いた内容です。

 今でもそういう先生がいたら「それは嘘」と考えて、今まで通りに家での勉強を進めてください。


<予備知識があった方が一生懸命やるんです>

 誰が言い出したのか良くわからないのですが、よく小学校に入学するときに言われる「ひらがなは、幼児期に覚えているよりも学校に入ってから初めて習った方が、先生の話を良く聞いて一生懸命に勉強する」という話。これ、嘘です。幼児〜小学校低学年の子は、自分が知っていて出来るものが出てきた方が一生懸命やるんです。これは、自分が言うより、実際に子供さんがいらっしゃるお母さんの方が実感しているのではないかと思います。子供さんが一生懸命やるのは、自分が知っていて出来るもの。なんか面白くなさそうで、興味が持てないものは、全然、手を着けようとしませんよね。


 よく「これ学校で習ってきた」と言って、得意になっていろいろな事をやる子も、それは「学校で聞いたときに面白そうだと思って、実際にやってみたら出来た」という事をやるんです。家でそういう様子を見ていると「学校で初めて習った方がいいのかな」と思うお母さんもいると思いますが、実は、これと逆の現象が学校で起きていると思って下さい。すなわち、学校では「家でお母さんに教えてもらって知っている」と言って、一生懸命に勉強しているんです。そして、学校で初めて聞いて「これ、面白くなさそうだな」と思ったものについては、全然、手を着けようとしないで勝手な事をやって騒ぎ出すんです。ですから、家で勉強の事をあらかじめ予習しておくと、子供さんは学校に行ってもきちんと勉強するようになっていくのです。


 さらに付け加えておくと「そうやって家で予習をすると、子供さんが話を聞かなくなってダメだ」と言う先生は、単に授業が下手なだけなんです。要するに「お母さんが教えるよりへたくそで、こんな話は聞いていられない」と子供さんが考えているからなのです。


 周りをみて下さい。図鑑などを持っていて、その内容をきちんと覚えている子って、勉強できるでしょ。そうやって学校で習うよりもさらに上の内容を知っていると、学校で先生が話した内容の間違いを指摘したりするんですよ。そして、間違いを指摘するという事は、先生の話をちゃんと聞いているということなんです。それとは逆に「詳しいのはポケモンだけ」なんていう子は、学校で新しく習う内容も、ポケモンとは関係ないので、あまり興味を持たず、先生の話もあまり頭に入っていません。実際にそうではないですか? 


 ですから、学校で習うことは、子供さんと一緒に教科書を読むくらいで構いませんから、予習をしてみて下さい。唯一気を付けなければならないことは「嘘を教えないこと」だけです。  国語の教科書を読む練習をして、読めない漢字が出てきたら、あらかじめ調べておくっていうくらいなら、子供さんとおつきあいできますよね。そうやって自信を持って読むことが出来るようになっていれば、学校でも元気良く教科書を読んでくれると思いますよ。

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