<いずれ、大学入試で扱われると思っておけばいいかも?>
夏目漱石と言えば、有名なのが「坊ちゃん」「我が輩は猫である」でしょうか。この辺だと読んだことがある、という小学生・中学生も多いのではないかと思います。ただ、こういう著名な作家は、文学史からアプローチするのも一つの手。
例えば、前期三部作と言われている 「三四郎」 「それから」 「門」 そして、それと対になっている後期三部作が 「彼岸過迄」 「行人」 「こころ」 それにプラスして「草枕」と遺作となった「明暗」。
「おまえ、夏目漱石、どこまで読んだ?」 「前期三部作が終わって、今、後期に入ったところ。彼岸過迄を読み進めているよ」 なんていう会話が、進学校だと、あってしかるべき、みたいな感じでしょうか。夏目漱石だと大学入試で扱われる可能性があるので、大学受験を考えているなら、一通り目を通しておく、というのが一般常識だと思ってくれればいいです。
ちなみに「こころ」を読んでいる人も、結構多いのではないかと思います。
お父さん・お母さんの世代だと、高橋留美子さんのマンガ、「めぞん一刻」で、授業中に女子高生の八神さんが、教育実習生として来た五代君を問いつめるシーンで使われたのも、この「こころ」ですよね。こういうマンガを読むにも、文学的知識があるのと無いのとでは、その面白さもちょっと変わってくるのではないかと思ったりします。
ということで、きっかけは大学入試であったとしても、それで、きちんと読んで、それが将来に向けた「知識・教養」になってくれることが大事だと思います。一生懸命予備校に通って、習ったことを身につけていくというのも、もちろん、大事な勉強なんですけれども、それと同時に、予備校では扱われない、さまざまな事を身につけていくことも、将来的には大事な事だと思います。
中学校の英語の教科書や入試問題などでも、「外国人に日本の文化の事を聞かれて、うまく答えられなかったから、日本の文化を勉強することは、とても大切な事だと思います」という文面もあちこちに出てきていますから、そのスタートが文学であってもいいでしょう。薄っぺらな大学生にならないように。
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