これも2014年に書いた内容です。
この年は、夏のオリンピックが開催された年。オリンピックの話題があちこちで出ていた中の一つです。
<シンクロナイズド・スイミングで井村雅代コーチが行っていたこと>
昨日のニュースで、シンクロナイズド・スイミングの日本代表のコーチに井村雅代さんが復帰して、そこから結果を出すまでの流れを特集していました。そこで彼女が一番最初に行ったことは、なんと「柔軟体操」と「筋力トレーニング」。要するに、基本のレベルがあまりにも低すぎて、これじゃあ勝てないわ、ということで、その特訓からスタートしていたんですね。 それを見て、自分は「あ、やっぱり勉強と同じだ」と思った次第。
例えば、柔軟体操で「前屈(前屈み)」を考えると「指先が床につかないレベル」と「指先が床にやっとつくレベル」と「手のひらがベタッとつくレベル」とを比較してみると、手がベタッとつく人って、指先を床につけることは簡単に出来てしまうんですが、指先がつかないレベルだと、相当特訓をしないと指が床につかないですよね。そして、それだけ体の柔らかさが違うとスポーツをするときの体の動きも違いますし、怪我をする度合いも変わってきます。
勉強に置き換えると「かけ算の九九が怪しいレベル」と「かけ算の九九がようやく出来るレベル」と「2桁3桁のかけ算が出来るレベル」だと、2桁以上のかけ算がちゃんと出来るレベルだとかけ算の九九はサッと言えますが、九九が怪しいレベルだと「2桁のかけ算」が出来るようになるためには、相当練習しなければなりませんね。
そして、ここからが大事なのですが、2桁以上のかけ算がサッと出来るレベルの子と九九が怪しい子では、どちらの方が、さらに難易度の高い「かけ算・わり算」の混じった計算を身につけやすいか、ということなんです。当然「サッと出来る」レベルの子ですよね。
要するに「難易度の高い問題」に対応しようと思うと、スラスラ出来るレベルを上げておくことが大切なんですね。
これを山登りに例えると、レベルの低いところしか出来ていない子は「麓から頂上までを一歩一歩のぼって行かなければならない」のですが、ある程度レベルの高い内容をしっかり身につけていると「6合目・7合目までは車でサッと移動して、そこから歩く」というのぼり方をするのに似ています。要するに「頂上との差が狭い方が有利」ということなんですね。
そして、釧路が劣っている部分というのが、前に書いた「習熟度の差」と、それに加えて「習熟が出来ているレベル」なのではないか、ということなんです。
他地域では普通にやっているものを釧路では「難しい」と言って敬遠していたりしますから、結局、目線の低いところから上を目指さなければならない、成績上位層にとっては非常に不利な勉強を強いられているということになります。
上位を目指そうと思ったら、割合の問題で「○割引」や「○割り増し」までスラスラ出来ていると、そこから上のレベルの問題への対応も、比較的スムーズですが、「○割・○%」の基本計算すら怪しい子は、難易度の高い問題に行き着く前にドボンしてしまいますね。
ということは、湖陵を狙う子と明輝を狙う子では、「基本」という言葉は同じでも、そのレベルは全く違うもの、と捉えておく方がいいでしょう。学校のテストが易しく、基本レベルが低いままの勉強が続いている場合、上位校を狙っていくのは本当に辛いことになってしまいます。そしておそらくは、釧路の場合、大学入試において、センター試験にはそこそこ強いけれども、そこから先の2次試験になると極端に厳しくなる、という傾向なのは、到達難易度が「センター試験レベル」だからではないでしょうか。結局、小学校・中学校で身につけている基本のレベルが低く、スタートラインが低いため、2次試験の難易度についていけていない、というのが実状ではないかと思います。
当然、そこを克服するためには、小学校・中学校の際、基本のレベルを今よりも高いレベルに設定すると言うこと。そして、それをスラスラ出来るようにしておくことでしょう。
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