top of page
markun5

「出来た順に持ってこい」は最悪

 これも2014年に書いた内容です。

 お父さん・お母さん方は、学校公開という、日頃参観日に行けない人に学校の授業を公開する日がありますから、それで確認するといいと思います。


<これをやっている教師はダメと思った方が良い>

 以前何度か、授業中、教室の前にドンと座り、生徒にプリントをやらせ「出来た順に持ってこい」とやっている先生の事について書きましたが、これがなぜ「ダメ」なのか、ということには触れていませんでした。実は、ちゃんとした理由があります。


 まず、学力上位の子は、さっさと終わらせてしまいますが、後は何をやっているのでしょう?

 長期休暇中の補習を見ている限りでは、他の科目の勉強道具も持ってきていましたし、プリントを大量に用意している先生もいましたから、それをやっている子もいましたが、通常の授業では、どういう対応になっているんでしょうね? ちょっと古い話ですが、以前は釧路付属小では「早く終わった子は、好きなお絵かきしていてもいいよ」という話になっていました。「何じゃこりゃ」っていう感じでしょうか。

 また、学力低位の子についてはどうでしょう?

 先生の前に持っていって、直接「あれも違う、これも違う」と言われて、その場で立ったまま、ずっと先生に教えてもらい、後ろで待っている子に「あいつ、まだやってる〜」とか言われているの。これ、後々、いじめの原因になりませんかね。

 おまけに「やり直して持ってきなさい」と言われて、周りの子が終わっておしゃべりしたり、ザワザワしているなかで、自分だけ、最悪は「半べそ」状態でやっているんです。これってむごくないですか? この状況で、この子、勉強が好きになるとは思えませんね。それでいて、担任は「楽しい授業が一番です」くらいに言っているの。この子にとっては、あんたが担任のうちは、授業中ずっと地獄だって。

 よく自分は「厳しい授業」ということを書きますが、勉強に集中させるため厳しい対応をしていても、その厳しさの中に「喜び」を見いだす事は出来るんです。でも「むごい授業」では「喜び」は見いだせないんです。そして「成功した喜び」があれば、勉強に向かう意識は芽生えるけど、「むごい授業」では何かうまく行ったとしても、それは「むごい仕打ちを回避できた」という安堵感が生まれるだけで、勉強に向かう意識は芽生えない〜せいぜい「要領よく回避する方法〜体の調子が悪いとか」を探し出そうとするだけなんです。

 ということで、授業の一番の基本は「授業中、暇になっている子を作らない」なんです。早く終わった子が、ちょっとでも暇をしていたら、その段階でその授業はアウトなんです。これが守られていないと学級崩壊などが起きやすくなるんです。こういう事って教育大できちんと教えないのかな? 


 さらに、もっと酷いのになると、これは実際に授業で見たことがあるのですが、生徒が持って行った漢字のプリントに、その場で「この字だと90点!」とか「80点!」とか、全く根拠のない点数を主観でつけてるの。こうなると最悪。

 実は、学習塾では「主観で点数をつけるのは御法度」。

 なぜかというと、80点を付けられた子が90点を付けてもらった子の答案を見せてもらったとき「どこに違いがあるのか分からないのに、何で私が80点で、あの子が90点なのさ」となったら、当然「あの先生、ひいきしている」となるんです。

 そうなると、その先生が総スカンをくらい、生徒が次々にやめていってしまう。だから、プリントをやる場合「どんなプリントでも必ず、点数配分をして、何点取れたというようにしなさい」と、点数は必ず客観的に出すように指導されるんです。

 また、これは、比較的どこの学校でもやっているパターンですが、きっちり点数化出来ない場合は「○問中 ○問正解」のようにしているんですよ。それすら分からず「生徒は点数をつけてもらうと喜ぶんですよ」くらいに言いながら、とんでもないことをやっているんだから、どうにもなりません。これで低い点数をつけられた子って本当に喜んでいるの? 


 ですから、この「できた順にもってこい」が唯一許されるのは、授業終了後、出来ていない子を居残り補習させるための手段としてのみ。

 その際も、後で教えられる訳だから、生徒が持ってきた時点では出来ていないところがあっても、その場で教えず、「やり直し」の指示をするだけにして、すぐに席に戻すんです。そうやって、いつまでも生徒にその場に立たせたままにしない。

 また、終わった子は、まだやっている子の妨げにならないように教室から出ているように徹底。そうして、出来た子がすべて教室から出て行った状態にしてから、出来ていない子に補習をするんです。

 こうした約束事がきちんと守られていなければダメなんです。


 長期休暇中の補習を見ている限り、釧路では、この「もってこい」をやっている教師が非常に多いんです。これをやめさせなかったら、学力は上がりません。こういう先生は、ちゃんとした授業の形を、きちんとした研修で身につけなければならないんです。

 これって、指導主事の仕事なのかな? 

閲覧数:6回0件のコメント

最新記事

すべて表示

不要な「消しゴム」の使い方に注意

授業中、消しゴムを使いすぎる子が目につくことがあります。そして、そういう子は概して学力が高くありません。そのため、この「消しゴムの使い方」に対していろいろコメントしている先生もいますが、本来、問われなければならないのは「使い方」それ自体ではなく「なぜ、そういう消しゴムの使い...

「勉強」とは、そもそも何をすること?

「勉強」とは、簡単に言うと 「知識を身につける」と 「今まで出来なかった物を出来るようにする」という行為。  だから、これに反する事をしていると学力は伸びませんよね。  例えば、他人の宿題の答えを写してお終いにしていたり、黒板に書いている字をただ写しているだけで、...

作業効率を上げる

計算などの「解き方が決まっていて、それにしたがって手順を踏めば答えが出てくる」といった内容や社会の一問一答形式の「単純に覚えたものを答える」という内容のものは、正確に速く解いていくことが一つの目標になると思います。したがって、目標となるのは「速い」ことと「正確」なこと。...

Commentaires


記事: Blog2_Post
bottom of page