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  • markun5

「低学力」と「通級・特別支援」

<お客さんでいるよりは、特別支援の方が子供も学校も幸せ>

 これは、ハッキリさせておいた方がいいでしょう。中学校に入って、小学校2・3年の漢字が書けないとか、小数・分数の計算で何をやっていいか分からない、という状況になっている子は、チームティーチングや学力別クラスにしたところで、正直、救えないんですよ。完全に「個別」で教えてあげなかったら、どうしようも無いんです。授業中に付け焼き刃の説明を受けたところで、結局、そのときに習っている中学校の学習内容をきちんと出来るようにはならない、と思っていた方がいいんです。

 ましてや、そういう子の場合、先生が常に側にいて面倒を見てくれないと何もできないような状況になっている〜きちんとやっているように見えて、実は、とんちんかんな事をやっていたり、ただ、ノートを写しているだけで、後は時間が過ぎるのをただ待っている状態だったりしているんです。


 要するに、昔よく言われていた「お客さん」状態なんですよ。そして、その状況に置かれたときに、それじゃつまらない、ということで、騒ぎ出したりするんです。そうなると、周りの子供達がみんな迷惑なんです。この状況の一歩手前が、何を説明されても「分からない」「訳分からない」を連発する子。とにかく「誰かに来て欲しい」「誰か、個別に教えてくれ」。こうなったら、特別支援予備軍です。正直、学習障害の可能性あり、と思っておけばいいんです。  実際、「分からない」と言い出す子の大半は、漢字の意味や言葉の意味が分からなかったり、誰でも知っているような基本事項が身についていなかったりするんです。そして、その都度、付け焼き刃で教えてもらって、何となく出来るようになっているような気になっているだけ。ですから、入試などで不合格になるのは、実は、こういうタイプの子が多いんです。要するに、その場で、入試の問題に対応できない〜誰かに、自分の分かる言葉で説明してもらわないと分からない〜という、隠れ「低学力」だと思ってくれればいいんです。


 そして、実際に、全然分からなくてお客さんになってしまっている子、誰かについていてもらわないと出来ない子も含め、通級、もしくは特別支援の方に参加するようにした方が、落ち着いてきちんと自分のペースで勉強出来ますから、その方が「本人にとってはずっと良い状態」なんです。  学校でも「分からない」を言い出す子がいたら、その子のペースになってしまって、授業は進まない、だからといって、相手をしてあげないとちょろちょろしたり、騒ぎ出したりする、ということで、ハッキリ言って「迷惑」なんですよ。  釧路の場合、こういう子の相手をしてしまって、そこから学級崩壊になったり、勉強が進まず、低学力が進行していったりしているところが多いのではないかと思います。


 そして、こういった子は、特別支援の方に通った方が、絶対、本人にとっては幸せなんです。釧路の場合、下手をしたら、上記のレベルに当てはまる子が学校の3分の1とか4分の1とか、特別支援いう状況になってしまうところもあるかとは思いますが、それでも、いつまでもお客さんのまま、もしくは、周りに迷惑をかける状態を放ったままにするよりは、圧倒的にいいんです。


 ハッキリ言って、そういう子は、現在の学校で行われている「集団指導」では救えない、と思っていた方がいいです。学校の教師の余計な負担が増えるだけです。「お宅のお子さんは、話を聞いていても、全然、理解出来ない状態です」と言うことを、きちんと保護者に話して、中学校だと「小学校の低学年の復習が必要です」という話もきちんと行って、ドンドン特別支援の方に回してあげればいいんです。  そうやって、保護者や子供本人の意識を変えないと、現状のまま、変わらない状況が、これから何年も続くのではないかと思います。

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