これも、2013年に書いた内容です。
学校の長期休暇中の補習で、よく見かける授業風景なのですが、これだと「効果が薄い」んですね。通常の授業でも、この状況だと、実は「かなりまずい」状況になっていると考えてください。
<一人につきっきりで、他の子を放ったままにしている先生>
生徒が分かるまで付きっきりで勉強を教える〜聞いた感じでは、しっかり勉強を教えてくれているようなイメージですが、実は、これ「家庭教師」のように一対一で教える「個別指導」での話。教室に何人もの生徒がいる「集団指導」となると、これはアウトなんです。どうしてか、というと、1人に生徒に付きっきりだと、他の生徒が放ったままになってしまうから。
で、なぜ、こういう内容を今述べるのか、というと、もう間もなく、夏休みの補習が市内の小中学校で行われるから。もし、その補習の見学に行くことが出来るならば、以下の点に注意して見てもらえると、学校の先生の授業がいいのか、悪いのかがハッキリ分かります。
そこでまず一点目は、サブタイトルにあるように「1人の生徒にベッタリ」の状態になって、他の子に背を向け、いつまでもその1人に付きっきりになっている先生。
おそらく、通常の授業でもそういう事をやっているのでしょう。となると、このあとどうなるか。当然、先生の目の行き届かないところにいる生徒は、勉強に飽きてきていたずらをし始めます。そして、それが広がっていきます。ここから「学級崩壊に向かって一直線」ですね。
それで、自分は「これじゃあ、学級崩壊と言ってもいいんじゃないの?」と思うようなクラス全体が私語で騒がしくなっている状況の時に学校の先生と話をしたことがあるのですが、そのときの言い訳が「うちのクラスは元気のいい子が多いんです」でした。ですから、この発言をする先生の授業の状況は「実は、学級崩壊に近いのではないか」と自分は思っています。もしも、その「元気のいい」という状況が学級崩壊まで行っていないとしても、少なくても「子供たちがうるさくなっていて、全く、勉強するような雰囲気になっていない」と考えた方がいいのではないでしょうか。
自分は、何校か補習授業の見学に行っていますが、この状態になっている学校、当然、ありました。
次に、教室の前の方に座って「出来た順に生徒にプリントを持ってこさせている先生」。
これもアウトです。
結局、目の前にプリントを持ってきた生徒にかかりっきりで、やっていることは、上記の「1人に生徒にベッタリ」の状態と変わりません。
プリントを持ってきた生徒に教えるのに時間がかかり、先生の前に待っている子が4人を超えると、周りの子の中には、勉強に飽きてプリントをやらずに騒ぎ出したり、待っている子が飽きて騒ぎ出したり、という生徒が出てきます。
で、なぜ、こういう事になるか、というと、まず1点目は、生徒の学力を把握していないから。補習で行うために用意しているプリントが1学期の復習しかないため、前学年までの内容がしっかり身についていない子がそのプリントをやった場合、結局、ほとんどの問題が出来ない、場合によっては、最初から最後まで全部分からないとなります。そういう子に教えるのに時間がかかってしまうんですね。それで、1人につきっきりになってしまうんです。
せっかくの補習なんですから、この子はこのあたりが出来ていない、という事が分かっていれば、それに合わせたプリントを用意しておけばいいということ。
気の利いた学校では、事前に「前学年までの復習テスト」をやらせて、その中で出来ていなかった問題を集約して補習内容を吟味している先生もいましたが、補習として子供達が勉強しに来るわけですから、そのくらいの事は当然やっておくべきでしょう。
もう一点は、教える準備が出来ていないから。
これ、専門用語では「机間巡視」と言って、生徒が勉強している最中、机の周りを回って、生徒の問題の解き方などをしっかり見て回ることなんですけれども、実は、釧路では、この机間巡視をやらない教員が多いんだそうです。
となると、生徒がどこでどういう間違いをしているか、を、生徒がプリントを持ってきた段階で探さなければなりません。当然、それが無駄な時間になるわけです。こういう事は、あらかじめ生徒の問題の解き方を見て回って「ここを見逃している」「ここで誤った計算をしている」ということを把握しておけば、説明はサッと終わらせられます。でも、そういう事を全くせずに「教室の前にドンと座って、それっきり動きません」という教師であれば、生徒全員に目が行き届きません。当然、出来ていないところにフォローを入れられずに、そのまま次の学年に子供達が進級していってしまいます。こうやって、学力の低い子供達を作り上げているんですね。
ですから、このあたりの教師になると、完全に指導力の問題になってくるんです。 そして、釧路では、このように、机間巡視せず教室の前の方に座ったまま動かない、「座り込みタイプ」の教師のものすごく多い。自分の見学した範囲では、半分近い、ひょっとすると、過半数かも知れません。これでは学力はつきません。
ということで、「付きっきりタイプ」「座り込みタイプ」の教師は要注意です。「付きっきりタイプ」に至っては、大学生の家庭教師アルバイト感覚をそのまま、学校の指導に持ち込んでいると思っていていいでしょう。
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