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「ルーチン・ワーク」と「学習習慣」

「<「決められたこと」で習慣づけ>

 「ルーチンワーク」というと、会社に勤めているお父さん・お母さんだとピンとくる方も多いと思います。毎日必ずやらなければならない決まった仕事のことですね。また、スポーツ選手だと「ルーティーン」と言ったりしますね。ラグビーの五郎丸選手で有名ですが、ゴルフをやる方だと、打球の方向を決めたり、スイングのチェックをしたり、とボールを打つ前に必ずする行為の事を指します。

 そして、これも当たり前なのですが、何をしていいか分からない状態より、やることが決まっている状態の方が「仕事に手を着けやすい」んですね。だから、子供さんの学習も、この「ルーチンワーク方式」で、毎日やらなければならないことを決めておいた方が、勉強に手を着けやすいんですよ、というお話なんです。まあ、これも当たり前の話、と思ってください。


 ところが、これが「当たり前じゃない状況」のところがありました。  たぶん、お父さん・お母さん方の頃は、宿題が出ていて、家で勉強するときには「まず、宿題」という状況だったと思います。この状況であれば、やることが決まっていますから、子供達も勉強に手を着けやすいんですね。それが、未だに「家で自分の好きなことをやっておいで」という教師がいます。高校生ならともかく、小学校の低学年・中学年からこうなると、子供達も何をしていいのか、分からないんですね。結局、適当にお茶を濁すような勉強らしいことをしてお終いだったり、おまけに先生のチェックが甘かったりすると、そのまま勉強をやらなくなったり、ということで、あるお母さんは「うちの子、結局、小学校の6年間、ほとんど勉強しないで終わってしまったわ」とおっしゃっていました。


 ですから、子供さんに学習習慣をつけさせる、一番の方法は、この「ルーチンワーク方式」です。やることをきちんと決めておくことからスタートしてみてください。学校から宿題が出なければ、漢字や計算のドリルを用意しておいて、それを必ず1ページずつやる、というようにしておくんです。


 そして、ここが大切なのですが、子供にやらせっぱなしにしないということです。必ず、お父さん・お母さんがチェックしてください。それともう一つ、子供さんが全然手の出ないものをやらせない〜子供さんが自力で出来るレベルで、出来れば自分で○つけが出来るくらいのレベルからスタートするということです。例えば、小学校の4年生や5年生でも、小学校2・3年生の計算から始めて構わないですし、漢字でも自分の学年より下の学年の内容から始めて、全然、構いません。

 というのは、お父さん・お母さんの職場で、ルーチンワークとしてこなしている内容に、自力で出来ないものはないですよね。仕事の効率を考えても、比較的簡単に出来る物から、だんだん手間のかかる物の方へシフトしていくというスタイルが一般的ですから、子供さんの勉強も、それと同じと考えていてください。


 そして、ルーチンワーク方式で基本の勉強が、ある程度、効率よくこなせるようになってから、少し難しめのものに入っていくといいでしょう。

 このルーチンワーク方式は、基本は、学習習慣のついていない子供さんが用いる方式ですが、自力で勉強をやっている子供さんでも、自分の分からないところばかりを無理して勉強しているような場合には、学年が進むにつれて、だんだん顎が上がっていきますから、それを回避するために、まずはじめに簡単な問題でウォーミングアップからスタート、というように、ルーチンワーク方式を取り入れてあげてください。

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