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「グループ学習」の欠点

 これも2013年に書いた内容です。

 当時、学校の補習見学に行って感じたことですが、学力の低い学校ほど、机の配置が最初からグループごとにまとめられているという感じでした。それとは逆に、学力の高い学校は、お父さん・お母さんのイメージに近いと思うのですが、きちんと整列し先生の方を向いているという机の配置です。

 学校の流行りなのでしょうか、少し前に教科書の内容に触れましたが、そこで「さあ、まず、考えてみよう」からスタートするのと同様、授業の最初から「さあ、みんなで話し合ってみよう」というスタイルになっている学校も少なくないようです。


 もちろん、この方式できちんと指導できる先生もいるとは思いますが、どちらかと言うと「陰に隠れて見過ごされてしまう生徒」が多く出やすいと思います。最終的には先生の力量の問題になってしまうのですが、力量のない先生が最初からこの方式をしてしまうと、全体的な学力がつかないと思います。


<何でもグループの欠点>

 最近、学校の指導法で流行っているのが「グループで話し合う」という方法。みんなで考える事が大切、なんていうことなんでしょうが、これ、実は大きな欠点を抱えています。  それは、グループで発表させると、話し合いに参加できない子がスルーされてしまうということ。  もっと分かりやすく言うと、以前は、出来る子だけに当てて授業を進めると「あの先生、勉強できる子をひいきしている」と言われたりしましたよね。それをグループでやると、正々堂々とそのグループの中にいる出来る子だけで勉強を進められ、ついて行けない子は蚊帳の外に置きっぱなしでも苦情が出ない、ということなんです。こりゃ、楽ですよね。

 もちろん、みんなで話し合うという機会も、あって構わないと思いますが、年中ずっとこれを行っているとどうなるか、ということです。真剣に話し合いに参加しない子は、いつまでもふざけたまま、何も身につかずに一年が終了する、ということですよ。

 また、教員だって、この方式を採ると楽ですよね。40人のクラスがあった場合、一斉授業であれば、40人、一人一人を見ていかなければならないのに、グループにすると、比較的学力の高い子数人を相手にして話を進めれば良い訳ですから。  よく、生徒一人一人を細やかに見ていく、と言っている人がいますが、グループ学習に頼っている段階で、その言葉は嘘です。こういう事を続けていれば、一人一人を見るどころか、困っている子に気づかない非常に感度の鈍い教員が出てくる訳で、小学校3年生になっても一桁の足し算が出来ない子が放ったままになっていたり、挙げ句の果てには、学校でアメを食べている生徒がいて、その包み紙が教室にいくつか落ちていたとしても、その落ちている紙を平気で踏んで歩きながら授業をする教師がいたりするわけですよ。

 ですから、本当に「一人一人をしっかり見ていく授業」を行ってもらうためには、基本的に「通常のグループ学習は禁止」。出来たとしても、せいぜい、小学校の高学年以上で、週に1時間くらい。道徳などで、話し合いの場を持たせるくらいが限界でしょう。特に学習内容を身につけさせようと思った場合、グループでやれば、適当に過ごしてお終いになっている子が必ず出てきますし、話し合うだけの知識がまだ乏しい小学校4年生以下で、グループの話し合いをさせるのは、論外。小4までは、一人一人を先生がしっかり見て、グループ学習を行えるだけの基本を身につけさせるべきなんですね。

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