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markun5

「お客さん化」する子供達

<保護者の意識の変化>

 「楽しさ追求」の弊害について、しばらく書きましたが、それではなぜこのようになってしまったのか、というと、実は、保護者の意識に大きな変化があったから〜すなわち「子供がお客さん扱いになってしまった」というところに要因がある、という指摘があるんですね。


 どういう事かというと、以前は、先生と保護者の共通の目的は「子供を良くすること」。だから、何か悪いことをしたら「親・先生共に子供を叱っていた」わけで、そうやって、子供を社会人としてしっかりさせようと育てて行ったのですが、今は「子供のやることだからしょうがない」と悪さをしても叱らない親が多い、学校で悪さをして先生が厳しく叱ったら、子供が悪いのではなく先生が悪い〜「体罰・言葉の暴力」と言われて、先生に手を出させないような風潮に変わってきた、ということなんです。  そうなると、子供になるだけイヤな思いをさせないように、子供が喜んで通う環境にしようということで「楽しさ追求」になる。そうして、子供中心の〜子供をお客さん扱いのようにして機嫌を取るような方向に進んでいった、というお話なんです。

 で、この際、「わがままな子」の機嫌取りもしなければならず、そのため、わがままな子が傍若無人に振る舞うようになった。わがままな子というのは、大抵は家庭でも甘やかされている場合が多く、そういう保護者の中に、悪いのは子供ではなく先生である、という発想で子供の甘やかしを助長してしまったものがいた。そして、このわがままな子が「気に入らない」と「いじめ」を始めだした、というわけですね。さらに、「いじめ」を受けている場合「そんな学校に通わす訳にはいかない」という事になり、今度は「まじめに過ごしている子の親」からも「適切な教育環境にせよ」という要求が来てしまったわけで、どんどん、学校に対する要求が厳しくなっていった。結果、にっちもさっちも行かなくなった学校が、最終的に取る手段は「どんな子供達にも楽しく通ってもらえるように」という方向になってしまった、というわけです。  一理、あるような気がしますね。


 だから、この元の原因をきちんと認識せず、ただ単に「学校と家庭が連携して」などと言っても、結局、子供がお客さん扱いでは、進歩が期待できないわけで、なかなか子供達の精神が向上していかない、という事になります。


 ある方が言っていたことですが、「大人になる」という事は「わがままでなくなる」という事だ、というのも、至極当然の事だと思います。自分の好きな事しかせず、イヤな事からいつまでも目を背けていたら、結局、大人の感覚にはなれない、ということ。そして、大人になってからも、自分のスキルアップを自力で図れるようになっていかなければならない訳ですから、そのスキルアップの練習として、自学〜家庭学習というのがある、という認識でいいのではないでしょうか。  そのためには、子供さんをお客さん扱いせず、保護者も先生も協力して、子供のわがままを少しずつ取り去って行くことからスタートしていけば、社会人としてしっかりした子供さんになっていくと思うのですが。

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