これも2017年に書いた内容です。
期限と基準を明確にしなければ、ドンドンだらしなくなっていくという話です。
<基準も締め切りも無しだといったいどうなるか?>
「以前は、学校の授業進度が異常に遅かった」という話は、何度か書いています。実は、中3の学習内容を「私立高校入試前」に終わらせろ、というのは、最近になってようやく学校側に認識されたもの。以前は「進度が遅い」と言われても「遅くない」と意地を張っていたような状況で、その教師に「公立高校までに終わらせればいいと思ったら大間違い。私立入試前に終わらせるんだぞ」と言われて慌てていた、というのが実状です。
それで、なぜ、こういう事が起きるかというと「基準が明確ではない」というのが、一つの原因。いつまでに終わらせなければならないか、どのような内容まで教えなければならないか、という点が不明瞭だからなんです。そこで、教師が自分で勝手な判断をして、都合の良いように話を進めてしまう、という現象が起きていたのではないか、ということですね。
さて、こういう「基準」や、いつまでに終わらせなければならないか、という「締め切り」が無いとどうなるか、ということなんですが、それは当然、適当で、どんどんだらしなくなっていく、というのが当たり前の現象です。
一般的に、好きなときに、好きなようにやりなさい、と言われて、きちんと出来るのはごく少数ですね。仕事でも「誰のチェックもない」では、適当なレベルになっていきますし「締め切りが無い」となれば、結局、いつまでもやりません。
例えば「学校改善プラン」なんていうのが、各学校で出されていますが、基準も何もなく、各学校で自由にやっているだけですから、結局、B4用紙に毎年同じような事を書いてお終い。これが、指導参事や指導主事が「こんなプランで何が出来る!」と突っ返すような事が起きたら、内容も変わるでしょう。
学習塾も同じで、基準も何も無しで「どんな成績でもいいよ」「いつ来てもいいよ」では、地域の生徒・保護者がドンドンだらしなくなっていくだけ。おまけに、塾に入ってイヤな思いをしなくていいように「宿題もやらなくていいよ」なんていう事になったら、下降に歯止めがかかりません。
逆に「この塾に行くためには、最低、この成績はキープしておかないと」「入試前ギリギリだったら、もう、入塾は締め切られているから、少し、早いうちに塾の事を考えておこう」と思わせて、ここで、地域の勉強に対する考え方が変わって行くんです。 要するに、放っておいたら、どこの地域でもだらしなくなって行くだけ。それに歯止めをかけたかどうかが、帯広・北見と釧路の学力差になった、と思ってもいいでしょう。
高校入試でもそうです。「何も勉強しなくたって、全員合格じゃん」という事になったら、放っておくと、ドンドン勉強に対する意識が薄れて、何もしなくなっていきます。結果、その地域の経済が疲弊する。人口が減って、それに拍車がかかる。教育に関しては、そういう事にならないように、先を見て手を打つ、ということが大事になるんです。
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